日本に関心高い来場者多数 自治体・企業の出展でにぎわう @THAI INTERNATIONAL TRAVEL FAIR(TITF)

▲トロッコでの観光をアピールした黒部峡谷鉄道(富山県黒部市)
展示会名:Thai International Travel Fair 2020 #26(TITF 2020 #26)
会期:2020年1月16日(木)~19日(月)
会場:IMPACT Muang Thong Thani(タイ・バンコク)
主催者:Thai Travel Agents Association(TTAA)
出展者数:1020社
来場者数:45万人
来場者層:一般
出展者層:旅行業者、観光局・観光庁、自治体の観光協会、航空会社、交通機関、小売業者

 Thai International Travel Fair(TITF・タイ国際旅行フェア)は一般消費者向けの旅行商品即売会で、毎年1~2月と7~8月の2回開催されている。出展者数は1000社強。以前はバンコクの都心部で開催されていたが、会場となるコンベンションセンターの建て替えにより前回夏の開催時から郊外で開催されるようになった。インバウンド獲得を狙う日本の出展者が多数参加した。

主会場変更により属性変化 高所得者が増加

▲草津温泉観光協会のブース
▲多くの来場者がこのグッズに注目していた

 「観光協会の事業として出展。町役場の職員や地元ホテルの社長ら、普段から連携しているメンバーで地元をPRしに来た」。そう話したのは(一社)草津温泉観光協会(群馬県吾妻群郡)の福田俊介さんだ。同展への出展は昨年春に次いで2回目。この展示会へ出展するためにタイ人の通訳を協会で雇用した。

 観光インバウンドにおいて、タイは日本の重要な顧客対象だ。JNTO(日本政府観光局)の調査によれば、訪日タイ人は年間約132万人(2019年・推計)で、前年比16.5%と急増しており、国別訪日客数ではアメリカに次ぐ6番目だ。「TITF」の会場でも、全体の約3分の1を日本のブースが占めていた。その多くはJNTOのブースで参加する全国の自治体や観光協会だった。

 独自で出展した草津観光協会の福田さんは「『草津』という名がまだ浸透していない。日本好きのタイ人は温泉が好きなようで、温泉に引かれてブースを訪れるようだ。草津温泉に来るタイ人は年々増えており、中にはタイ人だけで月に50~100人ほどの予約が入るホテルもある。最近は韓国や香港の情勢が不安定なので、さらにタイの重要性が増してくる」と話した。

▲富士急行は上海、台湾、バンコクの3カ所に海外拠点を持つ

 4年連続の出展となったのは、富士急行(山梨県富士吉田市)だ。同社にとってもタイは重要ターゲットの1つだ。16年9月にバンコクに事務所を開き、個人旅行者向け観光展や、イオンなどが主催するプライベートショーにも出展する。タイでは他の東南アジア諸国よりも富士急ハイランドが人気だといい、河口湖や忠霊塔などを巡るバスツアーの販売が主な目的だ。

 「今回は会場が変わったことで、来場者数が少なくなったようだ。客層も変化し、これまでのリピーターは少ないかもしれない。これまでは会場に来てから安い商品やチケットなどを探す人が多かったが、今回は事前に行きたい場所を決めていて、それに合った商品を探す人が多い。他社も『TITF』だけの特別価格で販売しているが、わざわざ展示会に来なくても安いパッケージツアーが多くなっているため、来場者が減っていると思う」(山下史貴所長)

▲主にJR西日本地域のJRパスなどを販売するという正規代理店のSWIM

 会場の変更による来場者の減少を感じる出展者は他にも多数いた。タイにおけるJR西日本の正規代理店であるSWIMもその1社だ。「客層が変わった。駅から遠い会場なので車で来る人が増え、結果として高所得者層が増えた。会場が変わったことでこれまでの『TITF』とはいい意味で違う展示会になるという期待があったが、それにしても盛り上がりにかけるように感じた。今回は土曜日に韓国アイドルのコンサートがあり、それを目当てに来ている人もいた」(後潟佑哉さん)


出展者の声

前回出展でタイ人客が急増

▲日本には直営・加盟を含めて800店舗ほどあり、そのうち78店舗で免税対応だ

ブックオフコーポレーション(相模原市)

 今回で2回目の出展。タイに進出したいわけではなく、日本の店舗にタイ人の来店客が増えているので、現地で直接PRするようになった。これまでタイで大々的な宣伝をしたことはなかったが、前回8月に出展した効果があったようで、直後から一気に日本国内の店舗にタイ人の来店客が増えた。タイには店舗がないが、日本旅行を好む人の間で口コミやネット掲示板で話題になったようだ。高級ブランドの中古品に関心があるようで、今回のブースでもそうしたブランド品をブース内において店舗を再現した。フィギュアやアニメグッズに注目する人も一部いた。

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