単純作業の代替策を探す製造業 @国際ロボット展

展示会名:2019 国際ロボット展
会期:2019年12月18日(水)~21日(土)
会場:東京ビッグサイト 青海・西・南展示棟
主催者:(一社)日本ロボット工業会、日刊工業新聞社
出展者数・小間数:637社・3000小間
出展者層:ロボット生産システム、AI、センサー、各種サービスロボット
来場者層:ロボット関連、製造業、自動車、流通、商社、介護・医療、インフラ・建設、農林水産・食品、教育
同時開催:部品供給装置展

 ロボット技術の専門展「国際ロボット展」では、倉庫での仕分けや梱包、開封作業など単純作業を自動化する産業用ロボットが、製造業や食品メーカーの注目を集めた。製造現場では、人を確保しにくい夜間の稼働を維持するため、ロボット技術への関心が高い。

 段ボール箱を開ける装置を展示したエヌテック(岐阜県養老郡)のブースには、24時間稼働する工場関係者が訪れた。食品工場からの相談は特に最近増えているという。「工場では夜間帯の人員確保にどこも苦労している。外国人労働者からも夜間は敬遠される」(山田英樹さん)

 生産現場の組み立て、箱詰め作業の自動化を提案した旭興産(山口県岩国市)でも梱包や仕分け作業が注目を集めた。また、医療・科学系の研究者は成分分析のために水で薄める作業を自動化するロボットに関心を示した。

 梱包や仕分けなどの自動化を望む声は大きいが、中小企業ではコストが合わず導入を見送るケースが多いという。自動化にはロボットに加え、ソフトウエアの開発も必要だからだ。また、食品工場では総菜のような柔らかいものを扱うことが多く、「空気で吸い上げたりハンドでつかむ従来の技術が転用できないことも障害となっている」(豆蔵・福富三雄取締役)という声も聞かれた。

建設現場では一気に普及

 一方、建設現場ではこの1~2年でロボットの導入が一気に進んだようだ。カメラ、通信、無線など以前からある技術が進歩し、導入費用が下がったことが要因だ。資材運搬や点検作業で機械への代替が始まっている。

 多関節ロボットを展示したハイボット(東京都品川区)には、配管、インフラ、プラントのメンテナンスに関わる担当者が集まった。化学プラントのメンテナンスでは足場を組むだけで数千万円規模を要するが、ロボットを使えばカメラやセンサーで状況確認ができるからだ。「インフラ関係の問い合わせが中心になっており、そういった展示会への出展も検討したい」(米村英彦さん)

 今回は倉庫や工場内を走る無人搬送車(AGV)の展示も多かった。トピー工業(東京都品川区)は、日通と共同開発した凹凸が多い工場内でも止まることがないAGVを展示し、食品や製造業関係者の注目を集めた。

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