車載メーカー、セルロースナノファイバーに注目 @nano tech
会期:2020年1月29日(水)~31日(金)
会場:東京ビッグサイト 西1・2、会議棟
主催:nano tech実行委員会
出展者数:410企業・団体/586小間
同時開催:ASTEC 先端表面技術展・会議、SURTEC 表面技術要素展、3D Printing展、国際水ソリューション総合展、ENEX、Smart Energy Japan、電力・ガス新ビジネスEXPO、新機能性材料展、JFlex、3次元表面加飾技術展、光デバイス・レーザ技術総合展、MEMSセンシング&ネットワークシステム展
「国際ナノテクノロジー総合展・技術会議(nanotech)」では、極限まで分解した木の繊維を原料とするセルロースナノファイバーが、企業研究開発者の注目を集めた。日本では、強度があり軽量な複合材料としてセルロースナノファイバーの開発が進んでいる。自動車部品として実用化も進み、自動車業界での成長性を感じている出展者もいた。また、公的機関や大学研究室の出展も増え、研究発表という側面も強くなっているようだ。
繊維をかき混ぜるのに使う機械を製造する井上製作所(神奈川県伊勢原市)では、車載部品をはじめとする自動車業界関係者から、セルロースナノファイバーに関する相談が多かった。前回までは医薬品関連企業から医薬品を動物に与え効果を確かるために、ナノレベルに分散することの相談が多かったが、今年、同様の話はほぼなかった。
分析機器を輸入販売する三洋貿易(東京都千代田区)には、分析機器の中でも分散と粉体に関連したメーカーの研究者が来場した。カーボンナノドット(CND)や、電池材料の需要が増加し、関連した分析機器への相談が増えた。「直近では、セルロースナノファイバーに関する問い合わせも増えた」(吉川貴士さん)
ユシロ化学工業(東京都大田区)は、切れても再生する自己修復機能を持つ新素材を展示した。医療分野では実用化されているが、他の市場での需要を探るために出展した。「来場者も、何に使えるか悩んでいるようだった。どう生かすかはこれから」(髙橋倉一利さん)
大気など環境に関する計測機器をつくる、東京ダイレック(東京都新宿区)には、粒子を研究する開発者を中心に1日30~40人ほどが来場した。宮本高志さんは、「研究部門の展示が増え大学研究室の出展が増えた。商業的な展示会から、研究発表の場になっている」と話した。