日本製のハサミ欲しがるアジアの美容師たち @Asia Beauty EXPO

  • 2018/8/2
理美容師をはじめヘア産業関係者が集まる「Asia Beauty EXPO (ABEX)」で、外国人来場者をひときわ集めるブースがあった。プロ向けのハサミメーカー、ヒカリ(東京都板橋区)だ。2日間で1000万円を売り上げ、その9割以上を外国人客に売った。海外に進出して40年たつが、この5年間で海外売り上げを伸ばしている。現地研修会を開催し、既存代理店の商品知識を向上させた効果が出ている。

▲「Asia Beauty EXPO」の会場で、中国をはじめ海外来場者があふれたヒカリのブース

日本製のハサミが欲しい @Asia Beauty EXPO

ヒカリ(東京都板橋区)
高橋 伸一社長

 ヒカリは17カ国に海外代理店を置く。最初に進出したアメリカを中心に年商6億円の2割を海外で売り上げるが、直近5年だけを見ると、中国、韓国、台湾、インド、シンガポール、ロシアなどアジア市場に勢いがある。6年前に始めた現地美容師向けのカット講習会が成果につながった。

 代理店との付き合いは長いが、以前は商品を送るだけだった。だが、どんなハサミも使い方を知らなければ宝の持ち腐れとなる。高橋伸一社長は入社前に9年続けた美容師の経験を生かし、最新のヘアカットを自社のハサミで作る技術講習会を始めた。1カ国につき1~2週間滞在し、場所を変えながら土日以外毎日開催する。1日の講習に参加するのは30人前後だ。

 現地から日本に美容師を呼ぶ講習会も好評だ。4月にはインドネシアから40人が来日した。招待したのではなく、皆、現地から自腹で日本にやってきた。最終日は、新潟の工場に移動し職人が手作りする様子を見せる。「ヒカリのことを好きになって、国に帰ってもらう」(高橋社長)

 海外滞在が月の半分を超えるため、数を増やすことが難しい。高橋社長が今行うのはカット講習を映像で残し、編集した動画をYouTubeに投稿することだ。海外代理店の担当者が営業ツールとして使える動画を制作する。

代理店網は世界20ヵ国 売れ筋は7万~8万円

マック(新潟県燕市)
藤田 正健社長

 「ABEX」3回目の出展となったハサミメーカー、マック(新潟県燕市)にも、多くの中国人客が訪れた。来場者は口々に日本製であることを確かめたという。会場では販売しなかったが、売れ筋は7万~8万円の高価な商品だ。やはり世界20カ国に代理店網を広げており、今期は10月にロンドン、来年3月にボローニャで、美容業界の大型展示会「COSMOPROF(コスモプロフ)」に出展する。

 世界の理美容師の間で、日本のハサミは人気が高い。品質による部分は大きいが、日本のヘア文化が世界的に認められていることも大きく影響している。世界中で、理美容師のような国家資格がなければ髪を切れない国は、これまでは日本だけだった。今、韓国や中国でも資格制度が生まれつつあるが、歴史がなく認知度も低いようだ。

 欧米にもハサミメーカーはある。だが、日本人をはじめとするアジア人の黒髪は白人に比べて硬くて太く、ハサミへの負担が大きい。同じ黒髪の顧客を相手にするため、中国やアジアの美容師は日本のハサミを求めるのだ。

勢いあるインドネシア

 各国を回る高橋社長が、もっとも勢いを感じるのはインドネシアだという。人口が多い上、富裕層が育っているからだ。現地のサロンは髪を切るだけでなく、エステ機能を併せ持つ店が多い。富裕層ほど、手厚いエステサービスを求める傾向にある。

 エステの分野でも日本に対する評価は高く、技術と併せて道具の市場にも商機があると高橋社長は見る。ネイリストが使う爪ケア用のニッパーで同社は高い国内シェアを持つが、市場の拡大はこの先それほど見込めない。今後の成長は海外にあると考えている。


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国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎

2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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