インフルエンサーと組む前に11

インフルエンサーと組む前に11

第一回「私も彼らに憧れた一人です」
第二回ファンコミュニティのつくり方
第三回彼らのお金の稼ぎ方
第四回ヒカキン 視聴者目線で楽しむ天才
第五回福井に「聖地巡礼」起こしたYouTuber
第六回事務所
第七回広告の目的は何?
第八回東海オンエア 万人受けではない人気者
第九回ラファエル
第十回のりごとー

第十一回 メトロンブログ

ブレイクダンスの世界でMORTALCOMBAT(モータルコンバット)という人気のチームがあります。そのメンバーでパワームーバーという回転系の技を得意とする人気ダンサーのBboyYosshiが、今回取り上げるメトロンブログさん、その人です。前回紹介したのりごとーさんと同じくVLOG(ブログの動画バージョン)スタイルで投稿される動画は、鍛え抜いた体によるストリート感溢れた内容で、彼の個性が生かされています。

動画は大きく2つに分けられます。一つは筋トレ動画です。見たことがない人は多いと思いますが、トレーニング関連の動画はYouTubeにおける人気コンテンツのひとつです。ランニングをしたり、ジムに行きたい人が世の中には多いため、パーソナルトレーナーや、ボディビルダーが筋トレのコツや、食生活について取り上げるのです。モノを所有するよりも、自己成長や自己充足感に向かっているなあと思わされます。体の変化は、動画で見たときに分かりやすく、見ていておもしろいものです。健康的なイメージがあるので、紹介するサプリや健康関連の商品は、レビュー動画の評価も高い傾向にあります。

メトロンブログさんは、フィットネスをYouTubeでエンターテインメントにしました。元来、筋トレの様子や、健康食を作る動画は、飽きさせずに見せるのが難しい分野です。しかし、メトロンブログさんの動画は、やぼったさがありません。エンターテインメントとして、〝魅せる〟動画の作り方を知っているようです。トリッキングというパフォーマンスで、フィットネスとダンスを組み合わせた表現が人気です。

筋トレをしない人が見ても楽しめるように、話し方や身ぶりに、BGMの音が上手にはめ込まれています。そんなフィットネス動画を日本のYouTuberで出している人は、ほとんどいません。インフルエンサーとして差別化もきちんとできています。

2つ目が、家電や電子機器のレビュー、旅、そしてファッションを軸に好きなものを追求した動画です。月並みですが、これが非常にセンスの良い仕上がりになっています。

センスが良いとはどういうことかというと、自身が大事にしているライフスタイルを世の中に提案する姿勢だと思います。彼は世界を飛び回り、ダンスだけでなくフィットネスの世界でもモデルとして活躍しています。そんな彼が好きなものについて自分の価値観で語ると、商品説明ではなく、自分のスタイルやファッションの提案するような動画になるのです。

日本のYouTuberは子どもや、中高年にも分かるようにテレビのバラエティー番組をお手本にしたような編集をします。UUUMやVAZを代表するインフルエンサーもほとんどそうです。

メトロンブログさんは、当初、経歴を公開せずに動画を上げ続けました。突然現れたクオリティーの高いYouTuberとして注目されたものです。過去のキャリアで勝負せず、未経験のYouTuberという舞台に挑戦したのです。お気に入り登録数が1万人を超えた頃、今までの人生を振り返る動画「my life story.」を出して、彼のキャリアとダンス業界での世界的知名度を知った人が大半でした。

世界展開を目指す企業や自治体にこそ、メトロンブログさんのような、表現者と組んでほしいと思います。言葉を使わないエンターテイメントやフィットネスは、国境を越えます。オリンピックやワールドカップというスポーツの祭典に世界最高の広告効果が認められているように、ダンス、トレッキング、フィットネスなどにも、その力があると思います。

日本ではアイドル、アニメ、バラエティー番組がバズるものの典型ですが、それは手軽にマネできるものだからです。プロのダンス、トレッキング、フィットネスはまねができない分、バズりにくいかもしれませんが、他人に対して高い影響力を持ちます。そういう表現者と組むことで広告を出向する側にもブランド力がつくのではないでしょうか。

↓メトロンブログさんの活動はこちら↓

ブレイクダンスチーム『モータルコンバット』オフィシャルサイト

▲boost(東京都港区)辻幸範社長(28) バンタンデザイン研究所中退後、ブランドプロデューサーの加藤信之氏に師事しアパレル、WEBサービス、各社のブランド構築に関わる。 SNS投票によるコンテストイベント「モテワンコンテスト」の企画者
▲boost株式会社(東京都港区)辻幸範社長
バンタンデザイン研究所中退後、ブランドプロデューサーの加藤信之氏に師事しアパレル、WEBサービス、各社のブランド構築に関わる。
株式会社テクサの企画担当。
株式会社テクサ
HP:https://tekusa.co.jp
twitter:https://twitter.com/tekusacojp

新着記事

  1. 2022-3-22

    バーチャルオフィスの利用急増 oVice、提供開始から1年半で利用数2000社に

  2. 2022-3-18

    第43回 2年ぶりの日本への帰国 厳しい検疫を体験【今日の中国】

  3. 2022-3-8

    展示会からウェビナー営業に切り替え コストダウン・二次利用可で「費用対効果高い」【リード獲得100本連載】A・R・P(神奈川県秦野市)

  4. 2022-3-3

    DMM.com、2022年度も約60業種のオンライン展示会を開催【オンライン展示会】

  5. 2022-3-1

    認知向上のため新聞に広告出稿、DMMオンライン展示会では93社にリーチ【リード獲得100本連載】 画屋(大阪府豊中市)

  6. 2022-2-17

    オンライン営業が一般化 ウェビナーやウェブ広告からリードを獲得 @関西 総務・人事・経理Week

ページ上部へ戻る