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インフルエンサーと組む前に
第一回「私も彼らに憧れた一人です」
第二回ファンコミュニティのつくり方
第三回彼らのお金の稼ぎ方
第四回ヒカキン 視聴者目線で楽しむ天才
第五回福井に「聖地巡礼」起こしたYouTuber
YouTuberには、地方に拠点をおき、愛する地元を紹介しながら活躍する人がいます。その中から、今回は福井で活動する「カズチャンネル」こと、カズさんを紹介します。
カズさんは商品紹介とゲーム実況の2チャンネルを運営しており、2017年、2チャンネルほぼ同時に登録数が100万人を突破しました。カズさんのメインは商品紹介チャネルですが、イベントニュースの読者にはゲーム実況に投稿された「マインクラフト」の事例にヒントがありそうです。
マインクラフトとは
マインクラフトはレゴのようなブロックを積み上げて、街を作るゲームです。家やお店のような
建物だけでなく、畑や牧場、そこで生活する人々や動物を配置していけるので、街にとどまらない想像の世界を作ることができます。
日本でも大人から子供まで幅広く親しまれています。ゲーム実況チャンネルではこのマインクラフトで自ら遊ぶ画面を見せながら実況するのですが、その中でカズさんは地元の駅や商業施設をつくりました。
人気があったのは地元のスターバックスを再現した動画です。再現の質も高かったのですが、カズさんがいつも座っている席が紹介されたことが、「その店舗に行ってみよう」というファンの行動に結びつきました。商品紹介チャネルで、フェラーリをレンタルしたカズさんが、店のドライブスルーを利用する動画も人気となりました。ファンはスタバだけでなく、動画で取り上げられた商業施設にも訪れました。
夏休みなどの大型連休の時期には映画やアニメのロケ地をファンが訪問する「聖地巡礼」と同じような現象が起きたのです。
同じような動画をあげれば、同じような結果に結びつく訳ではありません。カズさんの人気がこの結果を生むのです。
人気の理由は自然体
人気の理由は商品紹介チャンネルのコメント欄で見つけることができます。意識的か無意識なのかはわかりませんが、YouTubeで見るカズさんは天然ドジっ子キャラなので、コメント欄では動画に対してファンがツッコミを入れる文化が定着しています。
ファン同士のやりとりも活発で、いじりながらもカズさんへの愛が伝わってきます。
動画は、使ってみた感想を丁寧にレビューするという基本が実践されており、説得力があります。
褒めるだけでなく、弱点も教えるところに誠実さが感じられます。
例えば、「iPhoneX」を紹介した動画では、普段使いのGALAXYと仕事用のiPhoneの2台を所有する事情を説明し、使用感を小学生でも理解できるように解説しています。ニュースアプリで見るような、性能を測って比べるものと違い、専門用語が出てこない使用者目線の語り口調で堅苦しくなく進みます。
最終的に「スマホゲームの紹介動画を作るには多くの人が持っている方が良いので、iPhone8を選んだ」という評価で結びます。「自然体」「嘘が感じられない」のがキーワードです。
他にも、DIYや農業も熱心に取り上げます。部屋の棚や机を自分で作る工程を紹介したり、「リアルマインクラフト」と銘を打ち「本物の畑で作業したら勝手が全く違った」という動画もあります。これも「僕でもできるから、みんなでもできる」というスタンスで作られており、等身大のカズさんを感じることができるのです。こんなカズさんも、前回紹介したヒカキンさんと同じ、UUUMの所属です。カズさんが福井で活動できるのも、UUUMの力によるところが大きいと言えます。