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インフルエンサーと組む前に
第一回「私も彼らに憧れた一人です」
第二回ファンコミュニティのつくり方
第三回彼らのお金の稼ぎ方
第四回ヒカキン 視聴者目線で楽しむ天才
第五回福井に「聖地巡礼」起こしたYouTuber
第六回事務所
広告の目的は何?
プロモーションとブランディングの違い
今回は、インフルエンサーと組む前に、発注側が整理するべきことについて説明します。どんな成果を得たいのか、そのためにはどんな施策が有効なのか、関係性を理解しなければなりません。
広告の目的が商品の存在を周知するためのプロモーションであれば、インフルエンサーの動画再生数や、SNSのフォロワー数に注目するべきです。できるだけたくさんの人の目にさらされることが重要であり、商品ページに飛ぶか否かはこの際関係ないのです。
一方、目的が商品の価値を高めるブランディングであれば、動画の再生数は関係ありません。商品のターゲット層に影響力を持つ人からの紹介が重要になります。人気だけでインフルエンサーを選ぶと、痛い目を見ます。
もう一つ大事なことは、インフルエンサーと組むことで、どの程度の成果が欲しいのか決めることです。プロモーションの内容によって、依頼する事務所や必要な予算も変わります。
ここで、3つの例を挙げます。自分がやりたいのはどの施策か、考えてみてください。
①大物YouTuberを起用したら、依頼した動画が100万回再生された。
②綺麗な映像とデザインされた自社製品の動画を作ったら、1万回再生された。
③自分たちのYouTubeチャンネルを作り、平均1000回再生される動画と500人のお気に入り登録者を抱えた。
数字から判断した場合、1の効果が高いことに間違いはないのですが、必ずしも数字だけでは判断できません。
1は、プロモーションを目的にした施策です。
この場合、効果を計るポイントはどれだけ多く再生されたか、どれだけ見られたか、です。
多くの再生回数を見込みたいときは、YouTuberのチャンネルに投稿してもらうのが効果的です。「有名YouTuberの◯◯にとりあげられた商品」という認知も得られるので、コンビニやECサイトで同じ商品を見たときに「これはいいのかな」と思う確率も上がるでしょう。
HIKAKINさんが動画によくあげている、ペヤングソース焼きそばの動画は味の想像がしやすいので、その後コンビニに行ったときに置いてあれば、購入につながる可能性が高まることは大いに考えられます。
2は、ブランディングを目的にした施策です。
制作会社に依頼して、誰もが美しい、かっこいいと思う動画を作り、一定の視聴回数を獲得しています。HPに載せてもいい映像として、使うと効果的です。
動画を使うメリットは、商品を使ったときのイメージをさせやすくすることと、仕様をわかりやすく伝えることです。そのためには視聴者との間で、体験を共有することが重要です。
アップル社がアイフォンの広告で使う動画がいい例です。旅先で、ポケットからアイフォンを取出し、美しい風景を収める。まさに、商品を使ってできることのイメージを伝えています。
この場合、再生数が少なくても、見せたい人に見られていることが重要です。誰に何を見せたいか明確にわかっている場合は、この手法が有効です。
3はオウンドメディアをつくるということです。
オウンドメディアとは、自分たちが情報を発信するメディアを持つことです。一番サービスのことを知っているのは、自分です。その魅力を発信しながら、ファンをつくる方法です。
一方で、長い時間を要する場合がほとんどです。自分たちが発信したいメッセージをスタッフや動画制作会社と一緒に作らなければなりません。情報を届けられるのは、自分たちが獲得したユーザーのみです。
顧客リストに向けて情報を発信するので、顧客の囲い込み、紹介による新規ユーザーの獲得が期待できます。自分たちのメディアで人気のインフルエンサーとコラボレーションすることも有効でしょう。
自分のメディアの影響力が大きければ、組むインフルエンサーにもメリットがあるため、相乗効果が期待できます。オウンドメディアとしては、LIGブログ、ホリエモンドットコム、任天堂チャンネルなどが有名です。