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- 展示で見せる『職人の街』【人が集まるブース特集】
数多くの企業が出展し商品を売りこむ展示会では、来場者の目を一目で射ぬく造作技術がものをいう。会場の中で来場者が集まるブースの展示のこだわりから、その秘訣を探る。
(公社)世田谷工業振興協会(東京都世田谷区)
@産業交流展
都民のベッドタウンとして知られる世田谷区の地図上に、約60人の顔写真が並ぶ。竹細工の工芸品やバイオリン、刀の鍔(つば)などを製造する職人たちの顔だ。
地図のタイトルは『ものづくり世田谷』。「産業交流展」に世田谷工業振興協会(東京都世田谷区)など約10社が共同で出展し、知られざる準工業地域としての姿を見せた。
世田谷区には鍛冶や漆芸といった伝統工芸のほか、医薬・化粧・食品メーカーも多い。虫刺されやかゆみに効く外用薬キンカンを製造する金冠堂(東京都世田谷区)も、その1つだ。
同協会の担当者は「地域の製造業は他社とのマッチングの機会に乏しい。こうしたイベントで企業や技術を知ってもらうことで、次のビジネスにつながることも少なくない」と話す。
世田谷区ブースの隣では、足立区が同様に地域のものづくり企業を集めて、出展した。ブース内では、刀剣や書画を保存する宝蔵金庫や、特定方向からの光のみを通過させる偏光板などの一風変わった展示物に多くの来場者が足を止めた。
出展した企業は「多くの来場者が珍しがって来てくれた。直接商談につながるケースは多くないが、自分たちの商品を多くの人に見せる、数少ない場だ」と感想を述べた。
国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平
2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材。