参加者同士が音声・テキストで交流できる機能を搭載  @JAPANドラッグストアショー【オンライン展示会】

展示会名:第21回 JAPANドラッグストアショー @オンライン
一般デイ会期:2021年3月13日(土)~21日(日)
ビジネスデイ会期:2021年3月17日(水)・18日(木)
主催:(一社)日本チェーンドラッグストア協会 プラットフォーム:DMM[SHOWBOOTH](DMMショーブース)
出展者数:204社

 健康・美容の展示会「JAPANドラッグストアショー」がオンラインで開催され、204社が出展した。幕張メッセで開催予定だったがオンラインに変更され、一般消費者向けの『一般デイ』と商談会専門の『ビジネスデイ』にて開催された。ビジネスデイに参加した記者が、インターフェース、出展者ブース、バーチャル交流ラウンジなどについてレポートする。


【この記事の内容】

1.プラットフォームについて
 セミナー視聴、資料の一括ダウンロードができる
2.セミナーについて
 マスク着用のため、誰の発言か分からない
3.企業ブースについて
 商材のビジュアルで訴求し、自社サイトへ誘導
4.『交流ラウンジ』について
 参加者同士が音声やテキストで交流できる
5.出展者の声
 コスト削減に効果的だが、出展効果は感じにくい
6.まとめ


1.プラットフォームについて

セミナー視聴、資料の一括ダウンロードができる

 事前登録の上、トップページから入場する。入口は『ビジネスデイ』と『一般デイ』で異なるが、同じような見た目だ。「太陽光サミット ONLINE」と同様、DMM.com(東京都渋谷区)が提供するオンラインイベントのプラットフォームが使用されている。

 『ビジネスデイ』の入口では、『一般来場目的のお客様はこちら』のバナーが中央に表示される。クリックすると、『一般デイ』の入口に移動した。上部の『入場する』を押さないとビジネスデイに入場できず、動線が分かりにくいと感じた。

 入場すると、セミナーの紹介が表示された。左は配信済み、中央は配信中、右は次回配信されるセミナーだ。説明文が長く途切れているものもあるが、文章の続きはリンク先の配信画面では確認できなかった。

 スクロールすると、『企業出展ブース一覧』『ピックアップ企業』『交流ラウンジの紹介』などが表示された。『ヘルスケア』『ペットケア』など、ジャンル別に出展企業の資料を一括ダウンロードできる。試しに『ヘルスケア』をクリックすると、90MB以上のファイルがダウンロードされた。ファイルサイズについての注意書きはあるが、予想以上に大きかったので、具体的に表記すると親切だろう。


2.セミナーについて

マスク着用のため、誰の発言か分からない

 トップページのセミナー画像か、画面上部の『登壇スケジュール』のリンク先から選択して視聴する。1つの時間帯につき、1本のセミナーが配信される。

 緑が主催者、青が出展者のセミナーで、2日間の会期中に11のセミナーが行われた。毎時ちょうどに、17分~40分のセミナーが、YoutubeやZoomで配信された。

 複数名が登壇するセミナーを視聴した。名前の表示がない上に、全員マスクをつけているので、誰が話しているかは全く分からなかった。名前と発言者が判別できる工夫が必要だろう。

 出展者セミナーでは、出展企業ブースへの動線は設定されていなかった。出展企業ブースにおいても、セミナーに関する情報は掲載されておらず連携性がない。出展者にとっては宣伝になり、来場者にとっても回遊時に便利なので、動線は必要だと感じた。


3.企業ブースについて

商材のビジュアルで訴求し、自社サイトへ誘導

 画面上部の『出展企業一覧』をクリックすると、図のようなタグが表示される。クリックして、ジャンルを選択すると、五十音で絞り込むことができる。

 企業ごとにロゴとハッシュタグ、簡単な説明が記載されたバナーが表示された。余白が目立ち、商材に関する画像もないので、企業の個性は感じられない。紹介文の文字が小さいので、読みにくい印象だった。

 一方、各企業のページは華やかな印象で、企業のウェブサイトのようだった。最上部には、商材や企業ロゴを配したバナーが貼られている。フォーマットは共通だが、各社が訴求力のあるビジュアルを用意しており、個性を感じることができた。

 スクロールすると商材のイメージ画像、商材情報へのリンク、Youtubeの埋め込み動画、商談予約フォームなどが現れた。基本的には、1企業あたり1ページで構成される。打ち出している商材が明確なので、情報の把握がしやすかった。

 『トピックス』には、各社の商材が並び、企業サイトへ移動するリンクが設定されていた。サイト内に全ての情報を詰め込むよりも、外部サイトへ移動する方が、参加者にとって情報を得やすい作りになっていると感じた。各社への問い合わせも、企業サイトに誘導された。

 一方、文字情報の多さが気になった。全体的に、印刷物のように文字量が多く、読みづらい。ページを埋めるほどの長文で、企業についての説明をするブースもあった。

 どの企業も打ち出したい商材が明確だったが、各企業ブースに入らないと、情報を得ることができない。トップページで注目の商材を紹介し、企業ブースに誘導するような仕掛けがあると良いのではないだろうか。


4.『交流ラウンジ』について

参加者同士が音声やテキストで交流できる

 『交流ラウンジ』では、参加者同士がバーチャル空間で、音声でコミュニケーションができる。NIMARU TECHONOLOGY(東京都港区)が開発したツール『oVice』が使用されている。

 トップページには『交流ラウンジ』の解説画像が表示され、クリックして入場する。

 

 入場時には、マイクを使用する許可が求められる。ビデオもオンにしないと入場できないが、サイト内でビデオ機能が使われることはなかった。

 入場すると、「太陽光サミット ONLINE」と同様に、マップのような画面が現れた。多くの小さなアイコンと文字が表示され、自分の位置を発見するのに時間がかかった。画面のどこかをクリックすれば、その場所に自分のアイコンを表示させることができるようだ。

 参加者は、音声をミュートにしている人が多く、話しかけても反応がない人が多い。アクティブに存在しているかは不明だが、多くの参加者が会場内に存在することに驚いた。

 「太陽光サミット ONLINE」の時は、運営するDMMのスタッフに声をかけられて操作法のオリエンテーションを受けることができた。しかしこの展示会では、運営者から声をかけられることはないので、自分から左上の『まずは試しに話してみたい』への移動が必要だ。

 操作法は理解していたので、移動しながら参加者に声をかけてみた。出展者の展示会担当者と話をすることができたので、展示会の効果について話を聞いた。会話中の音声はクリアだった。

 『交流ラウンジ』では、立ち位置によって聞こえ方が変化し、すぐそばに人がいるようなリアリティを感じられた。そのため、参加者同士の立ち話が聞こえてきた時もあった。重要そうな話だったのですぐに移動したが、周囲に聞こえないようにする機能は必要だろう。

 チャット機能があるので、近くにいる人にテキストで話しかけることもできる。会場内で移動している際に、出展企業から新商品の紹介を会議室内で行うというメッセージをもらった。興味を持ち指定の時間帯に会議室に行ってみたが、出展企業の担当者しかおらず、部屋には鍵がかかっていたので入室できなかった。

 慣れるためには訓練が必要だが、音声メインの交流システムには大きな可能性を感じた。一方、ビジュアルが細かく見づらい点については、改善を期待したい。


5.出展者の声

コスト削減に効果的だが、出展効果は感じにくい

生活用品の卸業者

 初日に3社と商談した。想定より少ない理由として、相手がZoomを使えない、通信環境が悪いなどの理由で、後日改めることになったことが挙げられる。『交流ラウンジ』では、数社の出展者と話をした。音声がクリアで面白いシステムだが、周囲に内容が聞こえる点が気になったという。鍵をかけられる会議室もあるが、移動の手間があるため、参加者を限定するための工夫を求めていた。

生活用品メーカー

 オンライン展示会のメリットは、設営費用や展示会開催期間の人件費を含めた、運営費用の削減だ。しかし、閲覧数が不明なため、出展効果の評価は難しい。来場者の自社ブースへの滞在時間、クリックした商品名などをリアルタイムで把握したいと感じた。商談機能がないプランで出展の申し込みをしたため商談は行わず、『交流ラウンジ』も活用しなかった。


6.まとめ

運営サポートを行い、交流や商談に結びつける工夫を

 リアルタイムで音声コミュニケーションができる『交流ラウンジ』では、出展者にその場で声をかけてインタビューができた。しかし、音声が公開されてしまうので、すぐに商談に結びつけるのは難しいと感じた。

 また、『交流ラウンジ』では、運営者が企業セミナーへ誘導するなど、初心者でもなんらかの体験ができると効果的だ。ビジュアルが複雑で見づらいので、シンプルな画面にすることで参加のハードルは下がりそうだ。

 出展企業からは、初日に3件の商談が発生したり、いくつか商談が生まれたという話を聞いた。想定より少ないとのことだが、全く成果がないオンライン展示会が多い中、決して悪くはない成果が出ているのではないだろうか。

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