競争激化で空きスペース増加 @SCビジネスフェア

第44回 SCビジネスフェア 2020
会期:2020年1月22日(水)~24日(金)
会場:パシフィコ横浜
主催者:(一社)日本ショッピングセンター協会
出展者数・小間数:241社・565小間
出展者層:SCデベロッパー、専門店、SCサポート企業
来場者層:デベロッパー、テナント関係者、SCサポート企業

テナントの顔ぶれにも変化

▲平和マネキン(大分県別府市)は自動車販売店からクリスマスの演出に関する相談を受けた

 ショッピングセンター(SC)の展示会「SCビジネスフェア」には、商業施設を開発するディベロッパー、入店するテナント企業、各社の事業を支援する企業が出展し、来場したのも同じ業界関係者だった。テナント企業の出展減少を指摘する関係者は多く、人手不足やECサイトの台頭に加え、都心部で施設の数が増え、郊外施設ではテナントの撤退も目立つようになったことが影響しているようだ。一方、空いたスペースを狙う企業や、図書館や行政窓口など公共施設と融合する事例もみられ、SCの形態も変化している。

 「テナント企業が減り、店舗企画やITサポート企業の出展が増えた」と話したのは、アパレルや飲食店を対象にコンサルティングサービスを提供するワンスアラウンド(東京都目黒区)の馬場英喜さんだ。特にアパレルはネット通販が強く、苦戦が顕著だという。南海電気鉄道(大阪市)は沿線の再開発を共同で進めるネットワークをつくるために出展した。若い社員が、施設運営企業やテナント企業の開発担当者と関係性をつくることも重要な目的の一つだ。近鉄や梅田地下街など、在阪企業の出展は増えており、「東京の企業にアピールするメリットを感じているのだろう」と井越将人さんは話した。

 合鍵の専門店『MISTERMINIT』を運営するミニット・アジア・パシフィック(東京都台東区)では、空きテナントを抱える地方のデベロッパーから多くの訪問を受け、前年の1.5倍に当たる300人が集まった。駅ビルに出店する印象が強いが、全体の3割は商業施設の店舗で、今増えているのが、ホームセンターへの出店だ。合鍵を作る難易度が高くなり、これまで自社で行っていたホームセンターが事業撤退しているからだ。「駅ナカ店舗では靴修理が売り上げの6割だが、ホームセンターの店舗では鍵の複製が半分」(玉木謙治朗さん)

 さば寿しとわらび餅のブランド『和泉家吉之助』を商業施設の催事スペースに出展するイーモーション(東京都江東区)は、初出展した前回、10件の商業施設と取引が始まった。今年は、自ら各社のブースを回った。「インバウンドを意識した施設から注目された。商業施設での催事案件は増えている」(新井良枝さん)

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