レースクイーンは、今年が最後と決めている。来年からはチームのマネージャーとして裏方に回るのだ。それほど、カーレースとサーキットが好きだ。
華やかに見える仕事の常で、過酷な労働環境を受け入れなければレースクイーンを続けることは難しい。朝は早く、夜は遅い。真夏の炎天下でも、梅雨のスコールでも同じ衣装を身に着けて、笑顔で会場を盛り上げる。土日はサーキットに張り付く。昨年は海外レースに参戦するチームに帯同し、タイにも遠征した。
レースが無ければレースクイーンの仕事もない。平日は、展示会のコンパニオン、モデル、撮影会の仕事をこなす。休みは週に1回あるかないかだが、時間ができればジムに通い、レースに備える。そんな生活を5年間過ごした。
高校を卒業して看護学校に入り、3年間病院に勤務した。家と病院の往復に疲れ、新しい世界を夢見た。レースの世界にいる友人の影響で、レースクイーンになった。「体育会の雰囲気が、気質に合っていた。50人のスタッフ全員で一つのチームを作り上げる空気感が楽しい」
今年は2つのチームに所属する。国内レースのスーパーフォーミュラに参加するオウルテックと、SUPERGTに参加するイギリスのロータスだ。
レースクイーンは卒業するが、「サーキットから離れられないと思います」