ブースのデザイン、設営工事、人の手配まで、イベント運営を陰で支えるトーガシ(東京都江戸川区)を率いて、11年目を迎える吉田守克社長。展示会や商業施設の空間装飾に携わる事業者団体、東京ディスプレイ協同組合の理事長も務める。
主催者や出展企業の方々に、イベント会場で働くスタッフの姿を見てもらえればと思います。建物の中とはいえ、外の気候とほとんど変わらない場所で真夏も真冬も工事を行うのです。
彼らがやっていることは、建設や土木の工事と大差はありません。しかし、法律で守られたそれらの現場と異なり、イベント会場で行われる仮設工事の現場には、取り締まる法律がないのです。そのため、業者間の自主規制で現場のルールを作ってきました。
仮設とはいえ危険と隣り合わせです。大きな事故が起こることも少なくありません。その認識が会場にいる全ての方々に広がらなければ、本当の安全は確保されません。
それを一手に担うのが現場のスタッフです。しかし、人材の流出は我々の業界でも大きな課題です。彼らの給与水準や労働環境を上げなければ、展示会の継続は難しいと思っています。
施工期間中の会場で空調のスイッチが入るだけでも、随分環境は変わります。作業中の会場内にいるときは、全ての方がヘルメットをかぶると、事故はさらに減るでしょう。