会期:2021年11月25日(木)〜27日(土)
主催:合同会社DMM.com(東京都港区)、日本テレビ放送網(東京都港区)
出展者数:379社
出展者層:XRテクノロジー、コンテンツ、Vtuber、クリエイター、映像制作、CG制作、デザイン
来場者層:XR関連サービスの導入を検討中の企業、メディア・エンタメ関連企業、宣伝 ・マーケ担当者、VTuber・コンテンツ・XR関連企業の従事者層、VTuberファン
DMM.com(東京都港区)は、2021年11月25日〜27日にVtuber・クリエイター・XRテクノロジーのオンライン展示会「VCTEC」を日本テレビ放送網(以下、日本テレビ・東京都港区)と共同開催した。出展者数は個人も合わせて379社と、DMM.comが手掛けるオンライン展示会の約2倍が集まった。何を求めて同展示会に人が集まったのか、DMM.comオンラインイベント事業部に話を聞いた。
出展者の58%が個人のクリエイター
―「VCTEC」開催のきっかけは何だったのでしょうか?
我が社のオンラインイベント事業部のメンバーが、日本テレビのVtuber事業の責任者とつながっていました。日本テレビはテレビ番組『プロジェクトV』の制作をはじめ、Vtuberの活動をサポートするネットワーク『V-Clan』を展開するなど、Vtuber事業に力を入れています。日本テレビの事業と、我が社のエンターテインメント分野の強みを生かせば、VtuberやXR(現実世界と仮想世界を融合すること)テクノロジーが集まる面白い場を作れるのではないかと考えて、『エンタメ×ビジネス』をテーマに「VCTEC」を共同開催しました。準備期間は3カ月とスピーディーでした。
―出展者数は379社と、従来のオンライン展示会の2倍近い数でしたが、要因は何だと思いますか?
個人の出展者が多かったことが理由です。出展者全体のうち約58%が個人の出展者でした。また、来場者も個人のクリエイターが多かったです。日本テレビによる『V-clan』の会員や『プロジェクトV』での告知、また、参加するVtuberが自身のSNSで告知してくれたことが大きかったと思いますが、企業と個人クリエイターのマッチングの場になったからだと思います。
出展企業の約4割はエンタメ系企業で、中でもVtuber事業の『にじさんじプロジェクト』で知られる、業界最大手のANYCOLOR(エニーカラー・東京都港区)には非常に多くの事前商談申込がありました。個人の出展者からすれば企業にPRする機会になりましたし、企業にとっても多くのクリエイターと出会える場となったので、双方にとっていい機会になったと思います。
―特に注目されたジャンルは何だったのでしょうか?
やはりVtuberですね。近年はZ世代向けマーケティングにVtuberを活用する企業が急速に増えています。個人のクリエイターが数多く存在する一方で、まだまだ企業とのつながりが希薄で、なかなか収益が上がらないという現状もあります。今回のような出会いの場が貴重なのだと改めて感じました。
また、メタバース関連のセミナーにも注目が集まりました。メタバース経済が成熟すれば、これまで現実世界では実現できなかったアバター同士での双方向のコミュニケーションやブランド体験が可能になります。リアル店舗の買い物では店員に話しかけられたくない人でも、バーチャルではむしろコミュニケーションを楽しめるケースもあります。
これまでのように商材をただ展示しているだけのオンラインイベントから大きな変化が生まれます。メタバースがビジネスにおいてどのような変化をもたらすのか、多くの来場者が関心を持っていました。
出展料無料は継続、将来的に有料枠も
―今後も「VCTEC」は開催されるのでしょうか?
出展者・来場者ともに他の展示会より反応がよかったので、継続して開催していきたいと思っています。出展料無料を継続し、個人のVtuberやクリエイターがたくさん出展できる環境を整えたいと思っています。
今回は個人の出展者をしっかりとフォローしきれなかったという課題もありました。オンライン展示会への出展に不慣れな人も多かったので、これまで以上に丁寧なフォローが必要になると感じました。次回はこうした課題を解決していきたいと思っています。
将来的には有料枠も考えており、収益が出せるイベントを目指しています。
―どのような方針でオンライン展示会を開催していきますか?
まずは「DMM.comがオンライン展示会を主催している」という認識をたくさんの業界で知ってもらうことが大切だと思っており、質と量の両方を追求しながらあらゆる業界でのオンライン展示会を開催します。
2021年前半はたくさんの機能を盛り込んだ、ハイクオリティで数千人規模の人が集まるオンライン展示会を開催してきましたが、秋からは方針を変えてシンプルな展示会を多数開催しています。来場者が数百人であっても、ターゲットが合っていてマッチングできる展示会であれば出展者の満足度は高いのだと分かりました。さまざまなジャンルでイベントを仕掛けながら、我が社と相性の良いイベントを育てていきたいと思っています。