長谷川遼平のイベント取材日記(23)
- 2017/10/12
- ハラール
朝食が食べられない旅行者
イスラム教徒の旅行事情に詳しいハラールメディアジャパン(東京都渋谷区)の山崎氏いわく、訪日旅行における最大の悩みは朝食だという。
ハラール食(イスラム教徒に対応した食事)を提供する飲食店が増えているので、昼・夕食は店で食べられる。しかし、ホテルの食事は対応していないので、朝食は食べられない」のだそうだ。厳格な教徒となると、ハラールではない食事に使った食器を使うことも許されないため、サラダだけ食べる、というわけにもいかないのだそうだ。
一日5回おこなうという礼拝はどうするか。障害者用の個室トイレで済ませる人が多いという。
「お祈りに必要なのは、水場と敷物、あとは聖地の方角を示すコンパス。敷物は常備しており、トイレには水がある。コンパスは携帯アプリをダウンロードしている人が多いので、問題ない」のだと山崎氏。国際化が進む日本といえど、イスラム教徒の習慣は知らないものばかりだ。
カレー店の壱番屋が、秋葉原でハラール対応をはじめた。飲食業ではイスラム教徒への対応が如実に進んでいる。観光で経済を潤そうとするなら、彼らの文化を理解する必要があるのだと痛感した。
国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平
2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材。