IT製品・ソリューションの展示会「Japan IT Week 関西」には、装置や電子機器メーカー、製造、百貨店、官公庁、大学など、幅広い業界から、総務や人事、経理などのバックオフィスの担当者が集まった。業務の自動化や可視化、リモートワークで活用できる商材に関心を寄せる人が多く、営業支援や顧客管理、経費管理ツール、ペーパーレスを実現するシステム、AIを活用した画像や顔認証、文字起こしなどが注目を集めた。

　AIが顔と音声を認識する受付システムを展示したノバシステム（大阪市）には、オフィスの受付業務を自動化したいバックオフィス担当者が訪れた。非接触で自動対応のため、リモートワークを進める企業が多かった。「出退勤のタイムカードと組み合わせたいなど具体的な要望を聞くことができた」（阿部謙一郎さん）

　チャットボット、マーケティングオートメーション、業務管理ツールを展示したジーニー（東京都新宿区）には、営業の効率を上げたいメーカーなどが来場した。直感的に操作ができるので、システムに詳しくない人でも容易に使用できるとして導入が進む。「従来は若手社員が勉強として来場することもあったが、今回は真剣に情報収集をしている人が多かった」（石渡奈月さん）

　マーケティングツールを展示したシャノン（東京都港区）には、オンラインでの営業やマーケティング活動に課題を感じる企業が訪れた。オンライン営業では、商談に至る確率が低いことや、従来は1回の対面セミナーで伝わった内容が、オンラインでは複数回行う必要があるという相談もあった。「来場者数は昨年の3分の1程度で、名刺獲得数も6～7割だった」（浅野哲関西支社長）

　安全管理システムを展示したハギワラソリューションズ（名古屋市）には、官公庁や大学の管理部門の担当者が集まった。工場などでの安全対策を想定した商材だが、講義室の入室率をセンサーで測定して学生に知らせたいという、予想外の相談もあった。「昨年より来場者数は少ないが、1日に100人と商談ができ手応えを感じた」（大野康洋さん）