偽造品対策にメーカーの関心大 @化粧品開発展

展示会名:化粧品開発展 東京(COSME Week内)
会期:2020年1月20日(月)~22日(水)
会場:幕張メッセ
主催:リード エグジビション ジャパン
出展者数:880社
出展者層:原料、OEM、パッケージ、研究機器、販促製品、物流会社
来場者層:サロン経営者、小売り、OEM製造、海外ディーラー、商社
同時開催:化粧品展 東京、美容・健康食品EXPO

アジアのバイヤーも注目

▲パッケージで偽造を防止する提案をした野崎印刷紙業(京都市)

 化粧品メーカーやサロン経営者が集まる「化粧品開発展」では、偽造化粧品対策サービスを展開する企業に注目が集まった。背景には、海外で偽造化粧品による被害が拡大していることが関係している。

 初出展のキヤノンITソリューションズ(東京都港区)は、QRコードで商品の真偽を確かめることができるシステムを展示した。流通経路の確認にも使用でき、日本では3年前から販売を始めた。初出展ながら200人以上がブースを訪れた。「サロン向け商品が安価で不正転売される事例が増え、流通経路確認(トレーサビリティ)の重要性が高まった。放っておくとサロン商品の価値が失われる。来場者からはリコール対応もできるかなど、さまざまな質問が飛び交った」(曽我恵理子さん)

 パッケージでも偽造化粧品に対する関心が高まっている。数年前に化粧品パッケージに参入した野崎印刷紙業(京都市)では、グラデーションカラーや凹凸加工を施した商材を展示した。食品や製造業のパッケージを扱ってきたが、偽造化粧品の増加により、防止策に対する要望が増えた。「約200社の人が訪れた。中国企業の担当はグラデーションカラーの品質に驚いていた。中国では発色のよいグラデーション印刷技術を持つ企業がないという。海外では製造ロットによりカラーコードが異なることがあるらしい。日本では、どのロットも同じカラーコードで製造するが、これが偽造防止に役立つという声もあった」(齊藤勝さん)

 中国や東南アジアから来場したバイヤーの関心度は高かった。化粧品製造のアメニティコーポレーション(高知県高知市)には、中国を筆頭に東南アジアのビジネスマンが多数訪れた。OEMの協業先を求めている人が多かったという。これまでも東南アジアから多数の引き合いがあったが、価格競争力が弱く売り上げを伸ばせなかった。だが、最近は売り上げ比率で国内を海外が抜いた。「短納期を求める海外顧客の対応が課題」(中野忠明さん)

 フェイスマスクやコットンティッシュを製造する和紙問屋の小津産業(東京都中央区)も中国市場の高まりに商機を見いだす。「中国でティッシュを持ち歩く人が増えた。中国製のティッシュは紙質が悪く、日本製のコットンティッシュが人気だ」(野田裕美子さん)

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