▲阪東食品(徳島県勝浦郡)の阪東高英氏は10年前に海外展開を始め、売り上げの3割を海外で稼ぐ

海外の大型食品展示会に出展する国内食品生産会社が増えている。食品の海外輸出額が2013年から過去最高額を更新し続けており、世界の日本食需要を獲得しようと大手に続き中小企業も進出を加速する。課題は各国で異なる安全基準への対応だ。農林水産省は世界で通用する基準の策定を後押しし、今秋の承認を目指す。官民で食品輸出拡大に向けた動きが活発になっている。(関連記事=3面)

日本貿易振興機構(JETRO・東京都港区)
農林水産・食品部
中島伸浩主幹(左)
和波拓郎課長(右)

食品を扱う海外の大型展示会で、日本企業のために設けられたジャパンパビリオン出展枠に応募する企業が急激に増えている。窓口となる日本貿易振興機構(JETRO・東京都港区)農林水産・食品部によると、10年ごろから出展希望者が増え、募集と同時に受付を締め切るようになった。ジャパンパビリオンでの出展では費用の一部に補助金が適用される。直近では、台湾で開催される「Food Taipei」62小間の枠に173社、フランスで開催される「Sial Paris」33小間に102社が応募した。

過去最高を更新し続けている食品の海外輸出額は、2017年が8073億円で、前年に比べ7.6%増加した。「海外から日本に訪れる外国人旅行者が増加し、日本食に触れる機会も増えたことが海外市場の急拡大につながっている」(和波拓郎課長)。政府は食品輸出額1兆円を19年に達成する目標を掲げており、出展補助をはじめとする優遇策を設けていることも下支えとなっている。

個人事業で海外売上3割

九鬼産業
(三重県四日市市)
開発部 原田千大課長

すだちやゆずなどの有機果汁やポン酢などの加工食品を輸出する有機農業の阪東食品(徳島県勝浦郡)は、10年前、JETROの輸出セミナーに参加したことをきっかけに海外展開を始めた。阪東高英氏の個人事業だが、年商6300万円の3割を海外で稼ぐ。輸出先はフランスとドイツが中心だ。「Sial」や「Anuga」などの国際的な大型展示会に出展し、会場で知り合った現地のレストランやホテルに納品する。関心を示すのは高級店のシェフやパティシエが多い。料理やデザートのソースに使うのだ。Anugaで知り合った現地の輸入業者が徳島まで訪れて始まった取引もあるという。

ゴマの総合メーカー・九鬼産業(三重県四日市市)は、3月に米国アナハイムで開催された、有機食品やエコ製品が集まる展示会「Natural Products Expo West2018」に出展した。「西海岸の人は健康意識が高く、栄養成分が多く含まれるごまパウダーに関心が集まった」(原田千大課長)。現在5~6社との商談が進んでいる。海外売上比率は全体の1割だ。

こちらは会員限定記事です
会員になると続きをお読みいただけます

関連記事

ページ上部へ戻る