出展者の口コミ、前編はこちら

予想よりも具体的な案件につながる手応え

ミリアグループ（広島市）

　健康食品や清涼飲料水を企画、開発しており、一部オリジナル製品はあるが、9割以上はOEMだ。この展示会への出展は4回目で、ターゲットは自社工場を持たない販売メーカーや美容商材の企画会社などだ。ブースには売れそうな商材を探すエステサロン経営者や化粧品メーカーが訪れた。オリジナル商品を作りたいというエステサロンが年々増えているが、何から始めればいいのか分からず、展示会で情報収集しているようだ。

　今回、来場者は意外に多いというのが率直な印象だ。名刺交換枚数では前回の3～4割減だが、緊急事態宣言下でも来場するのは、切実な課題を抱えていたり、閉塞感の中で何か新しいことを仕掛けたいという思いがあるからだろう。来場者の真剣さや意気込みが伝わってきた。予想よりも具体的な案件につながりそうな手応えがある。

引き合いにつながる案件もあり

ホワイトハウス（岐阜県多治見市）

　この展示会には3回目の出展となる、パッケージメーカーだ。新型コロナの感染が広がった昨年5月には、段ボールとプラスチックの一種で飛沫防止パネルを作り、岐阜市内の市役所や学校、銀行・旅行会社の窓口などで採用された実績がある。飛沫防止パネルは唯一の既製品で、今まで取引のなかった業界とつながることができた。　

　ブースに来場したのは化粧品メーカーよりも小売や商社の方が多い。オリジナルのパッケージを作りたいという要望のほかに、環境問題への配慮から使用中のポリエチレン製のものから紙製へ変更したいという需要は年々増えている。また通販向けの需要も高まっている。引き合いにつながりそうな話も多く、1つ1つの案件に対して丁寧に話ができた。来場者はもっと少ないと思っていた。例年、名刺交換は100枚ほどで、今回はその半分だが、全体的な手応えは悪くない。

ターゲットの来場が全くなく想定外

イワキ（東京都千代田区）

ポンプメーカーで、美容系の展示会には初めて出展する。もともと美容業界との取引はあったが、さらに強化するのが目的だ。美容系の分野では高粘度のもの、ステンレス製の清潔なものが求められている。来場しているのは商社が多い印象だ。代理店販売もあるので、商社との出会いもプラスではあるが、できれば直接つながりたい。

　ターゲットである化粧品の工場担当者や技術者は全く来ておらず、予想と大きく異なった。手応えしては残念としか言いようがない。いつもの展示会ならば必ず3桁になるアンケートの回答数が、現時点で18件だ。今回来場者は少ないが、営業の我々自身も自社工場に入るのを禁じられているくらいなので、工場の担当者が少ないのも致し方ない。特に工場はクラスターが発生する恐れがあり、生産を止めるわけにはいかないので、かなり神経質になっている。

来場者が少なくニーズもつかめない

イスクラ産業（東京都中央区）

　漢方原料の貿易会社で、出展は2回目だ。前回の初出展で集客がうまくいったので今回も出展した。ヒアルロン酸など名の知れた成分のパネルを大きく展示して、興味を持ってくれた人に特殊な成分なども提案している。

　ターゲットは化粧品メーカーだが、全体的に来場が少ない。例年の5分の1ほどだ。目的が分からない来場者や売り込みも多い。需要を探るための出展だが、来場者が少なすぎてそれも分からない。

来場者とのつながりを作る場になった

ピコモンテ・ジャパン（大阪市）

　化粧品の輸入代行やOEMなどをしており、新しい市場を求めて初出展した。ターゲットは工場を持たないメーカーや企画系の会社などだ。サロン経営者や小売関連の人もブースを訪れるが、小ロットの要望が多いので対応は難しい。今市場で求められているのは、マスク生活の中でアイシャドウやマスカラといった目元商材と、在宅時間の増加に比例して、フェイスパックの売上も全体的に伸びている。需要は捉えているものの、未だ工場がアルコール商材の対応に追われており、なかなか化粧品関連の製造に対応できない。

　初出展だからかもしれないが、この場で詳しい話はできていない。興味本位の来場者ばかりという印象だが、関係性を作るいい場ではあるので、あとはどうやってつなげていくかが課題だ。スタッフ5人で1人当たり1日に50枚ほど名刺交換しているので、1日平均で200～300枚になる。この時期にしてはそれなりに来場していると思う。ある程度の手応えは、スタッフ全員が感じている。

リアルな要望を聞くことができたのが収穫

コスメディ製薬（京都市）

　医療・化粧品関連メーカーで、この展示会には初回から連続出展している。化粧品は塗る製品が一般的だが、我が社の場合フェイスパックなど貼る製品が多い。今は手間いらずの製品に需要があり、新型コロナの影響下でも業績は堅調に伸びている。今回は例年と違って商社や卸、小売、エステ関連の来場者が目立つ。これまではメーカーの来場も多かったが、今回はかなり少ない。大手小売業関係者もいない。名刺交換枚数は1日40～50枚ほどだ。前回までは100枚以上交換していたので、例年の半分以下だ。会期後、精査していく必要がある。

　来場者の声で目立ったのはエコに関するものだ。化粧品は品質保証のための過剰包装によって生じるごみが多すぎるという指摘をもらった。これは今後の製品開発に生かせそうだ。こうしたリアルな声は小売店関係者からしか聞けないもので、ありがたい。製品スペックにあまり差がない場合、他社との差別化が図りづらいので、今後のカギになってくる。