第1回 果物店が並ぶ街[今日の中国]

 
  • 2018/9/28
▲狩野氏が常駐する廈門の果物専門店

 日本人から聞かれるのは「中国では何が売れるの?」に尽きます。急速な経済成長のただ中にある中国で、「今、売れている商品」を知るには、自ら中国を歩く以外にはありません。

 日本における昭和30年から現代までの成長を、10年で駆け抜けているのが中国の経済です。生活水準の向上がたった数カ月で実感できるほどの変化が日々起こっています。

 先月流行っていたものが、今月には見向きもされないという話が、そこらじゅうにあるのです。

 中国人のステータスは食べることにあります。日本人のようにダイエットばかりで、自分の体形や人からの視線を気にして、着飾ることに執着する人はわずかです。上海のように日本や欧米の影響を受けた地域は少し違いますが、それでもファッションよりも食べること、飲むことが優先されます。

 例えば果物です。上海では、生鮮食品を1つのマーケットで購入することができますが、果物だけは販売されていません。果物は街中の果物専門店で購入します。その数は日本のコンビニのようでもあり、まさしく安くて便利な存在です。

 春のイチゴ・夏のスイカなど、日本と変わらない時期に並ぶ旬の果物もありますが、広大な中国を象徴し、季節を問わず豊富な種類の果物が店頭を飾ります。価格も日本では考えられないほど安いので、毎日たくさんの果物が消費されます。今、原稿を書いている私の手元にも8個200円で購入した黄桃があります(ここまで書く間に3個食べました)。先日、とある日本企業の方から「中国では酵素が売れない」と聞きましたが、分かる気がします(桃は酵素をふんだんに含んだ果物です)。

 「では、中国では食べ物、飲み物以外売れないの?」と思われるかもしれませんが、そうではありません。知っていただきたいのは、例えば上海は、福岡から90分で行ける近い外国ですが、やはり、字のごとく「外の国」だということです。歴史・文化・生活習慣がまるで違うのです。

 そうすると、実際に売れる物は何なのか、ということですが、次回から中国の生活習慣を紹介しながら、最新トレンドをお伝えしたいと思います。

狩野浩治氏

1964年福岡県生まれ。バックパッカーとして各国を回った後、国内大手小売り会社に入社し海外事業部に配属。以降33年間、海外生活が続き、8年前から中国で生活する。中国企業の副総経理を務める。


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