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【我が社の出展戦略】大同工業「日本ものづくりワールド」
- 2018/7/28
▲大同工業(石川県加賀市)システム商品課 係長澤田大吾さん(44歳)
狙う相手を決めない
バイクや自動車のチェーンを製造する大同工業(石川県加賀市)は、吸引しながらモノを運ぶ技術を持っていた。物流業界の展示会で出展してきたが、他の業種に技術を必要とする相手がいる可能性を探るため、来場者層が特定されない「日本ものづくりワールド」への出展を決めた。
「EcoCuum(エコキューム)」はファンを回して吸引しながらモノを運ぶベルトコンベヤだ。水平やなだらかな傾斜でしか運べない通常のものと異なり、急な傾斜や垂直方向の輸送にも対応する。
ブースの前で足を止めたのはクリーニング会社だった。彼らは吸引する風力の冷却効果に注目した。夏場のクリーニング工場は80°C近くまで温度が上がる。洗濯物を乾燥させる際に熱が発生するため、乾燥させてから畳むまでの工程で冷却したいと考えていたようだ。エコキュームなら、ファンで空気を吸引する際に洗濯物を冷却でき、そのまま洗濯物の分別も可能だ。
大同工業の狙いは、吸引技術を求める相手と出会うことだったが、新たな顧客の視点は別のところに向いていた。クリーニング会社の担当も、同業者の展示会を見ているだけでは新たな技術に出合えないと考え、異業種の展示会に足を運んでいるということだった。