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- 【はし藤本店】木の素材感、外国人客に人気
▲▼はし藤本店が改装したのは3年前。「当初は個人向けの業態変更に社内でも異論はあった」と話す海宝護氏
素材感のあるものが人気 材料説明求める客も
外国人客は道具街に来るようになった。だが、それだけでインバウンド消費が生まれるわけではない。店構えを変えたことをきっかけに外国人客をつかんだ道具街の老舗を取材した。
箸販売のはし藤本店(東京都台東区)が外国人客を意識して改装に取り掛かったのは3年前だ。改装後の売り上げは順調に伸びている。
外国人客に人気があるのは、カラフルなものよりも、木の素材感がわかる箸だ。欧米から来た来店客の6~7割が購入する。取材当日も、東南アジアから来た客に越後杉の箸について説明を求められていた。
改装では誰でも入りやすい店構えと、手に取りやすい商品配置を意識した。また、10膳入りの割り箸や、10枚入りのテーブルマットなど、ロットの少ない商品をそろえた。
消費者や小売業がウェブでメーカーと直接取引することが可能になり、卸し業の存在価値が失われていることへの危機感が改装を決めた。その一方で、5、6年前から、一般客や外国人客が店頭に増えていた。
昨年、ニューヨークとタイの展示会に初めて参加した。台東区からの声がけで、区内の複数の店舗と共同出展した。目的は市場調査と新しい取引先を見つけるための商談だ。タイの展示会には今年も出る。
タイは外食文化だが、安い竹の箸が使われている。海外営業部部長の海宝護氏は「高級な箸の需要を作り出せるように売り込みたい」と考えている。
国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。
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