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アスタナ万博控えるカザフスタン
- 2016/11/30
- カザフスタン
医療・食品・ベビー用品など日本製人気
カザフスタンの首都アスタナで2017年に開催される万国博覧会に、日本は世界に先駆けて参加を表明した。11月6~9日にはナザルバエフ大統領が、官民の代表者126人を引き連れて来日するなど、同国との経済連携は強まりつつある。地下資源に恵まれたカザフスタンは、資源依存経済からの脱却を求め、産業育成に日本の力を求めている。
石油、石炭、ウランを筆頭に、カザフスタンは地下資源に恵まれ、国内経済は中央アジアトップクラスだ。輸出先は国境を接するロシアと中国が大半を占める。だが、この2国への依存を今後も高いままにすることは同国民にとって望ましくないようだ。「同じく中露と国境を接する日本と連携を深めることをカザフは望んでいる」と(一社)ロシアNIS経済研究所(東京都中央区)で、カザフスタンを担当する中馬瑞貴研究員は話す。親日感情も高いそうだ。
日系企業といえば、三菱、三井、伊藤忠、丸紅など資源を扱う商社系が中心だったが、2012年にトヨタが工場を建設し関連企業の進出が始まった。車の販売は工場建設以前から行われていた。ソニーやパナソニックなどの電化製品も昔から人気があった。
目下、日本製の関心が高まっているのが医療や食品に関する商品だ。「国民の生活水準レベルも高いため、健康志向が強まっている」と中馬氏は話す。おむつなどのベビー商材も根強い人気がある。
また、資源を生かした関連産業を伸ばすために、発電プラント開発技術や、省エネ環境技術を持った企業の進出も待たれている。アスタナ万博がエネルギーをテーマにしているのも、そのあたりに理由がありそうだ。
(一社)ロシアNIS貿易会(東京都中央区)中馬瑞貴研究員
上智大学外国語学部ロシア語学科卒、慶應義塾大学法学研究科政治学博士課程。2008年より同社。
国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。