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サルサにハマる大人たち
- 2018/3/31
- 北海道
▲火曜の19時、RIEさん(中央)のレッスンを受けるため、仕事を終えたサラリーマンたちが30人ほど集まった
サルサにハマる大人たち 敷居の低さが魅力
20~60代集まる
銀座オフィス街の裏通りにある雑居ビルの細長い階段を下りると、30人弱の男女が集まるバーがあった。カウンターとは別に20㎡ほどのダンスフロアがあり、人だかりの中心には、肩を出したシャツを着てステップを踏む女性がいた。毎週火曜19時に始まる、サルサダンスのインストラクターRIEさんと、彼女のレッスンを受けに集まった人たちだ。
20代の女性もいれば、60代の男性もいる。多いのは40代くらいだが、幅広い年齢層がまんべんなく集まり、男女比も半々といったところだ。
格好もそれぞれで、RIEさんと同じように動きやすい服に着替えた人もいれば、ジャケットを脱いだだけでワイシャツ姿の男性もいた。統一されたスタイルはなく、ダンスシューズを履く人も、履かない人も、皆それぞれの格好で、RIEさんに合わせてステップを踏んでいた。「男女のペアで踊るけれど、決まりきったステップは無く、その日からすぐ踊れる。『こんにちは、初めまして、どこから来たの』という挨拶のようなコミュニケーションダンス」(RIEさん)
サルサクラブ「ラス・リサス」の店主、松嶋武さんは、気取らない手軽さこそサルサの魅力だという。ひとりでふらりと入れるのは、ラス・リサスに限らず、世界中のサルサクラブの特徴だ。
東京理科大学を卒業後、銀行系の大手シンクタンクに勤めていた松嶋さんは、31歳で脱サラしてこの店を始めた。その数年前に大学の先輩に連れられて入ったのが出会いだった。それまでダンス経験は一切無かったが、仕事が突然早く終わった日でも、お店に行けば気軽に友達ができるサルサクラブとダンスのとりこになった。
店で知り合った男女がカップルになることは日常茶飯事。松嶋さん夫婦も店で知り合い結婚した。
サルサクラブは都内だけでも10店舗ある。年間360日以上通う常連もいれば、地方から出張でやってきたサルサファン、あるいは海外から来たスペイン語圏のラティーナが集う。踊るだけでなく、ラティーナやラテン文化のファンたちが集まるのだ。
地方でも主要な都市には必ずある。札幌で15年営業する「EL Mango」では、月に2回はサルサファンが集まるパーティーが開かれ、毎回50人ほどが集まるという。
サルサ祭り、作りたい
間口の広さが魅力のサルサだが、関係者の間では認知度の低さが課題となっている。「ダンス、クラブというだけで、いかがわしいと思われやすい」ZeppTokyoで20年前からサルサダンスイベントを開催するサルサホットラインジャパン(東京都港区)の村山健太郎さんは、日本サルサ協会の理事として、自治体イベントや高齢者施設へのインストラクター派遣を始めた。活動は始まったばかりだが、昨年は愛知県小牧市の「こまき信長まつり」から依頼を受け、コロンビアから有名ダンサーを招致した。
村山さんは松嶋さんらと共に地方都市と組んで年中行事のようなイベントを企画できないかと奔走中だ。「浅草のサンバカーニバルのようなものが、サルサの世界でも生まれれば。床さえあれば追加設備は何も要らない。閑散期の集客に困った地方のホテルなどと組めればいいのだが」(村山さん)。
サルサで街おこしというアイデアはいかが。
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国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。
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