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2017年宿泊者数 観光庁統計 外国人、過去最高7800万人
ホテル稼働率6割超える
訪日外国人の宿泊者数が増加の一途をたどっている。13年には3350万人だったが、15年には6560万人へと急増。全国で日本版DMOの組成やMICEの誘致に注力したことも奏功し、昨年はさらに大きく数を伸ばす結果となった。
訪日外国人の国別人数では、トップは前年に続き中国で1732万人だった。2位は台湾で1124万人、3位は韓国で1093万人となった。前年比で特に数値を伸ばしたのは韓国(前年比41.2%増)、ロシア(35.2%増)、インドネシア(25.7%増)。上位を占めるアジア諸国とアメリカで全体の7割超を占める形となった。
宿泊地域を国別にみると、アジアと欧米で志向の違いが表れた。韓国人・香港人は宿泊地として大阪府がトップだったほか、シンガポールやマレーシアを含むアジア人は東京・大阪に次いで北海道を訪れる傾向が強かった。
一方、欧米人が東京に次いで宿泊傾向が高かったのは京都だ。アメリカやカナダ、ドイツ、フランス、オーストラリア人の宿泊先はいずれもトップが東京、次いで京都となっており、アジア人との志向の違いが鮮明になる結果となった。
宿泊施設のタイプ別稼働率については、いずれの種類も向上する形となった。シティホテルは79.4%、ビジネスホテルは75.4%、リゾートホテルは57.8%、旅館は38.1%で、全体の稼働率は60.8%だった。
地方観光が大幅に増加
外国人の宿泊地として急激に人気を高めているのが、三大都市圏を除く地方部だ。今回の観光庁の統計では前年比宿泊者数で三大都市圏が10.2%増だったのに対し、地方部は15.8%増と好調な推移を示した。地方部への宿泊者数は3188万人と突破し、全体の4割を占めた。
三大都市圏とは東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・愛知県・大阪府・京都府・兵庫県の8都府県のこと。それらを除く地方部ではLCC便やチャーター便の就航が増加しており、全国的に高い増加傾向を示す結果となった。
特に高い伸び率を見せたのは青森県(前年比60.3%増)と大分県(59.3%増)で、九州エリアは高い伸び率を示した。
外国人宿泊者数が25万6810人となった青森県は、急増の要因として中国人からの人気を挙げた。県によると、昨年に天津‐青森間を結ぶ定期便が就航したことなどが追い風となっており、17年に県内を訪れた中国人の数は前年の3.7倍となる6万2990人に急増したという。また、台湾からのチャーター便の増加や、韓国からも週3便だった就航が週5便に増えたことで、アジア各国からの観光客数が大幅に伸びたという。
青森県観光国際戦略局の川村睦氏は「海外へのPRとしては、現地旅行会社に宣伝を強化したほか、台湾の旅行博などに出展し、知名度を強化してきた。主な観光先としては十和田湖や弘前をはじめ、数年前にできた文化観光交流施設『ワ・ラッセ』も人気だと聞いている。個人客も増加しているが、中国に関してはいまだツアー客も多く、今後もPRを続けていきたい」と話している。
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国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平
2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。
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