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【売れる市場を探せ】静岡県浜松市 楽器づくりで世界へ乗り込む
- 2018/3/18
- アメリカ(北米), 北陸・中部, 映画・音楽・エンターテインメント
▲メイン会場の外観
売れる市場を探せ
静岡県浜松市 楽器づくりで世界へ乗り込む
NAMM Showは毎年1月に開催される楽器や音楽関連サービスが一堂に会する展示会だ。日本でも「楽器ショー」という楽器専門展が2年に1度開催されているが、来場者の多くが個人客である。対するNAMMの来場者は小売店向けに商品を卸すバイヤーがほとんどだ。欧米、アジアなど世界各国からバイヤーが訪れる展示会は全世界的にも少ない。
大手楽器メーカーから個人工房までさまざまなメーカーが立ち並ぶ中、会場のメインエントランス付近に6小間の大ブースを構えたのは浜松市だ。NAMMへの出展は昨年に引き続き2度目。前回は4社4小間を引き連れての出展だったが、今年はさらに3社の出展希望があったことから7社6小間で出展した。
市の中田希氏は「浜松市にはヤマハやカワイ、ローランドなど楽器メーカー大手があるほか、ギター工房や管楽器メーカーなど中小200社の楽器メーカーがある。こうした特性から、市では『音楽の都』として国内外に地元企業のPRを図ってきた。地元メーカーの販路拡大につなげるほか、市の海外認知度拡大につなげるのが狙いだ」と語る。
今回市のブースの中で出展したのは地元の楽器メーカーだ。海外に製造拠点を持つ準大手もあれば、たった一人でオーダーメイドのギターを製造する個人事業主もいる。通常は1小間あたり40万円弱の出展料が必要だが、市の助成により1社10万円で参加。中には海外の展示会への出展が初だったという企業もあったが、ブースには卸売業者や有名アーティストの楽器を手掛けるバイヤーなどで人が途切れることがなかった。
今回のNAMMで日本の地方自治体として出展していたのは浜松市だけだ。広い会場を見渡しても、ドイツやアルゼンチンなど国単位でパビリオンを出展する地域はあったが、地方自治体が出展するケースはほかになかった。「昨年出展した際に、会場で主催者に『来年はもっと入り口に近い場所を用意してほしい』と伝えていた。小間数も増えたので、非常に多くの人と商談することができた」と中田氏は語る。
市は来年1月のNAMMに出展することも検討中。ほかにも中国で開催される国際楽器展も検討したというが、世界各国のバイヤーが訪れるNAMMに比べると見劣りする。「市内の企業には、チェンバロなど大型の楽器を製造する企業もたくさんある。そうした企業は商品が大きいため、海外の展示会には輸送コストの問題などから出展を見合わせるものも少なくない。東京で開かれる楽器ショーがBtoB展示会になるといいのだが、しばらくは海外に売りに出るしかない」と中田氏は語る。
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国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平
2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。
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