海外若者も「日本企業はブラック」
「日本はブラック企業が多い」というのは、海外にも通じる話になっているのだそうだ。
台湾の外食企業の話である。ジェトロの台湾市場調査員を務める松崎英明さんはこう話す。「労働基準法が改定されたため、就労環境が厳正化された。日本の常識はまったく通用しない」。具体的には、以下の6点だ。
①給与明細を従業員に提供
②完全週休2日制の法制化
③普通残業手当は1日2時間で1.34倍、休日出勤は1.67倍、祝日出勤は2倍
④有給休暇日数の増加と買取義務
⑤年間休日115日
⑥残業は月40時間以内。
台湾企業は当然のごとく改定を遵守しており、反面、日本の外食チェーンをブラック扱いする若者も少なくないという。
日本でも働き方改革が進む。昨年11月に開かれた「HRカンファレンス」には1万337人が来場した。中小企業も他人事と言えない問題になった。厚生労働省の「ブラック企業リスト」は時代を映す鏡と言える。経営者には辛い時代だ。かつて最年少上場社長に輝いたリブセンスの村上太一さんは「創業当初は昼も夜もなく働いたが、給与などなかった」と話していたが、今のサラリーマンは情熱だけでは通用しない。
国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平
2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。