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国際会議誘致、都市間で競争激化
- 2018/1/10
国際会議誘致、都市間で競争激化
助成金の上限も引き上げ傾向
地域の経済効果や新産業への波及を狙い、国際会議の誘致に取り組む都市の競争が激化している。日本政府観光局によると、2016年中に日本国内で開催された件数は3121件にのぼった。
15年から約300件の増加となり、同局の計測史上初めて3000件を突破した。都市別では5年連続で首位が東京都23区、2位が福岡市で、3位以降は京都市、神戸市、名古屋市、横浜市、大阪市、仙台市など政令指定都市が中心に件数を伸ばし、全国的に開催件数を大きく伸ばすことになった。各都市での開催誘致、支援体制も強化が続いている。東京都は2016年から国際会議の誘致と開催に関わる助成金の上限額を引き上げた。
誘致活動に伴う経費を最大400万円助成するほか、開催時の会場借り上げ費などを3000万円補助する。京都市も年度から助成金の上限額を拡充。参加人数500人以上の会議の開催に対し最大1000万円を助成するほか、200~499人規模で50万円、50~199人規模で20万円を補助する。神戸市では2016年に市の神戸国際観光コンベンション協会に調査担当職員を設置し、地元大学や研究所での開催実績を把握できるようにした。関係者との連携を強化することで開催件数は前年より約150件増加することに成功。
また、北九州市では14年度に市長を本部長とするMICE誘致推進本部を設置したほか、広島市でも12年度に観光政策部署内にMICE戦略担当職員を配置した。MICEの参加者は一般の観光客に比べて滞在期間も長く、消費額も2倍以上見込めるとして、観光庁を中心に誘致に向けた取り組みを強化している。
同庁は「13年から全国の中でもMICE誘致の実績を多く持ち、注力する都市をグローバルMICE都市として認定し、専門家との連携はノウハウを提供するなどの支援を続けてきた。今年度からはこうしたグローバル都市同士の連携をさらに強め、世界各国の国際会議主催者に訴求できる体制を構築したい」と話している。
厦門会議施設を視察
中国・福建省を視察中の翁長雄志沖縄県知事は12日、厦門国際会議センターを視察した。同施設は今年9月に新興5カ国(BRICS)首脳会議が開催された施設。翁長知事は「沖縄県でもMICE施設を整備する計画がある。競合するのではなく、アジア全体で発展していきたい」とコメントした。
国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平
2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。