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40~60代女性に聞きました @香港ミニチュア展
香港・九龍城の街並みが、精巧なミニチュアとなって東京・丸の内に現れた。9月29日から始まった「香港ミニチュア展」には、香港の作家17人による48作品が展示された。会場のKITTE丸の内に訪れた来場者の中心は、40~60代の女性たちだった。ミドル世代の女性が、何を目的に訪れたのか、来場者に話を聞いた。
取材を行なったのは10月3日(月)の午後1~2時。8割が女性客で、そのうち6割が40~70歳だった。ほとんどの女性が写真を撮影していた。一眼レフを構える人も2割程度いたが、今回はスマートフォンで撮影していた人10組を選び、いくつか同じ質問を投げかけた。
東京駅丸の内口に面した複合型商業ビル1階という立地から、通りすがりの来場者が大半だと予想していたが、10組全ての人が「ミニチュア展を見るために来た」と答えた。
「ブログ記事を見て」
10組中3組がNHKの放送を見て訪れた。9月16日(土)、「おはよう日本」で、今回作品を出展する作家が7分にわたり取り上げられた。
ブログの記事を見たという人も3組いた。香港の関連情報を配信するフリージャーナリスト、中島恵さんのブログをよく見るという40代の女性は、2年前まで夫の単身赴任で香港に5年間住んでいた。子供の学校を通じて知り合ったママ友のつながりは、それぞれが帰国した後も続いており、その日撮影した写真を友人に送ると話した。
その他は、娘のフェイスブックを見た、勤務先が会場から近い夫がLINEで写真を送ってきた、開催直前の読売新聞夕刊広告を見た、東京メトロ千代田線の中づり広告を見たという人が、それぞれ1組ずつだった。
「住んでいた当時思い出す」
過去に香港に住んでいた経験がある人が2組、息子が今香港に住んでいる人が1組、旅行で頻繁に行く人が2組と、香港に縁がある人が半分だった。
料理研究家として本の執筆やNHK「きょうの料理」にも出演する森野眞由美さんは、香港が中国に返還されてから25回以上訪れ、熱狂的なファンを自任する。料理は当然楽しみの一つ。癖のある独特の香りが苦手な人も多い名物料理「臭豆腐」のミニチュアを横に、「これも大好きな料理の一つ」と話した。だが、きっかけを尋ねると「ジェット・リー」と即答。香港映画のスターに会いに行くうちに、香港のファンになったという。
ミニチュア作品を見に来たと答えた人も3組いた。1組の姉妹は、姉が人形制作を趣味にしており、細かい技術に見入っていた。
「インスタはやらない」
今回、あえてスマートフォンで撮影したいた人だけを取材したのは、ミドル女性たちのSNS利用動向を聞きたかったからだ。だが、SNSに上げる可能性を述べたのは1人だけで、他のすべての人が、近しい知人や家族に以外見せるつもりはないと断言した。
フェイスブックを使う人は3組、インスタグラムは2組だった。LINEで息子や夫に送ると答えた人はいたが、友人たちに公開するような使い方はしていなかった。それ以外はSNSに対する拒否感も感じさせた。
一方、ブログの記事に上げるという人が1名いた。「自分以外見ている人はほとんどいない」という60代の女性は、日記や備忘録として趣味の写真を更新すると話した。
40代以上、SNS利用者はごく一部
40代以上のSNS利用で5割を超えているのは、40代と50代のLINEだけだ。これは平成28年度に総務省情報通信政策研究所が調査したもの。これによると、Facebookは40代で34.5%、50代で23.5%にとどまっている。
SNSと言っても、LINEの場合、特定の相手とメッセージをやり取りするのに使われていることが多い。40代以上の世代で情報拡散を目的にSNSを利用している人は、まだ少ないようだ。
国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。