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展示会商法今も健在~売らんかな~
- 2017/8/10
▲アマダ(神奈川県伊勢原市)村下明執行役員(53)
「かつて経済紙に『展示会商法』と書かれたことがある」と話したのは、板金加工機械の国内最大手、アマダ(神奈川県伊勢原市)の広報担当山崎正浩氏だ。「商法」という言葉には記者の皮肉が込められていそうだが、隣で聞いていた村下明執行役員も笑っていたところを見ると会社も認めることなのだろう。
本社のある伊勢原に、自社製品を展示する2万㎡の常設展示場をつくったのは40年前のことだ。そこに顧客を招き、実物を前に説明するのが長年培われてきた営業スタイルだ。大阪にも1500㎡の展示場があり、ドイツとアメリカにも伊勢原と同じ規模のものがある。
自社展示場ができるまでは、全国の展示会場に商品を持ち込みプライベートショーを開催した。その前は商品を積んだトラック1台ごとにエンジニアが同乗し、顧客の元に出向いて商品を説明した。社内で「デモカー」と呼ばれるその車は、今も健在で営業の一端を担っている。
そんな営業スタイルを確立したのは創業者天田勇の義弟で、後に2代目会長に就いた江守龍治だ。技術者の天田が商品を開発し、江守が営業を担う二人三脚で会社を大きくした。自前の展示会場もデモカーも江守の発案だ。
「自分で作ったものは自分で売る」という江守の哲学は今も確実に引き継がれている。12~15日に開催された業界の展示会MF-Tokyoでは、120小間の会場内最大ブースで出展した。ここでもポスターやパネルはおろか、映像編集さえ社内で済ませてしまったということだ。
国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。