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会議をエンタメ化するシステム
- 2017/7/25
▲マジェンシー(東京都港区)古久保俊嗣社長(63)
フランスのマジシャンが作った会議運営システムを、世界の名だたる大企業が導入している。システムに沿って進行するだけで、会議に対する参加者の意欲が劇的に高まるという代物だ。一言も発言しない社員が、積極的に意思を表明するというのだ。
会議参加者は進行役から投げ掛けられる質問にスマホやタブレットPCで答える。センターモニターには、質問に対する回答結果や、匿名で投稿されたコメントが映される。会場の意思を可視化できるように、コメントに対する賛成票の集まり方をリアルタイムで表示させることもできる。表立っては聞けないが、関係者全員が知りたいことを、経営陣にぶつけることもできるというわけだ。
会議の始まりは、スマホで登録した参加者の写真を使ったアニメーション映像が流れる。エンタテインメント性の強い演出で、テレビのクイズ番組を見る実況感や、選挙の開票速報番組を見る参加意識をつくり出す。
経営陣は社員の意思や関心の在りどころをつかみやすい。また、経営会議など少人数で行う重要な意思決定の場で名前を公開して使用すれば、議事録の作成が不要になる。日本では、会議時間を短縮するために導入する企業も多いという。
商品を開発したマジェンシーは、フランスのテレビ番組で活躍する現役マジシャンのヴァンサン・ブルーノが2011年に設立した。日本法人も15年に設立され、上場企業の間で導入が相次いでいる。
国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。