出展者の口コミ、前編はこちら

来場者少ないが、真剣な人多い

ゆこゆこ（東京都中央区）

　宿泊予約事業や温泉メディア事業などを展開しており、この展示会への出展は4回目となる。760万人の登録者がいるので、シニア層へのアプローチを考えている企業とのマッチングを図るのが目的だ。新型コロナの影響でどこも集客に困っており、問い合わせは増えている。若年層ではなく、ある程度お金を持っているシニア層へアプローチしたい企業は多い。

　ブースを訪れたのはメーカー、フィットネスや健康関連など店舗への集客したい人が多く、通販会社からは、チラシを同梱したいという声もあった。リゾート会員権関連の企業もいた。例年と比較すると名刺の交換枚数は6～7割と少ないが、サービスの導入を真剣に検討する企業が多い。来場者の質は例年よりもよく、予想よりも手応えはいい。

ターゲットの来場なく厳しい手応え

力匠（東京都千代田区）　

　ノベルティグッズのOEM製作や輸入、販売をしており、この展示会には初回からずっと出展している。今はマスクや除菌のウェットティッシュなどの衛生用品に需要があり、それ以外のものは売れ行きは悪い。訪問ができない現状でDMを送ったり、ウェブでの営業に力を入れオンライン展示会にも出展したりしたが、全く結果が出なかった。

　ターゲットは販促担当者だが、来場は非常に少ない。来場者自体はもっと少ないと思っていたが、予想以上に来ているので驚いている。しかし、同時開催の「雑貨EXPO」（ライフスタイルWeek 内）から流れてくる雑貨店や小売店の関係者ら、ターゲット以外の業態だ。来場者は体感では前回の4分の1ほどで、手応えは非常に厳しい。

大手企業の姿なし

マスパック（大阪府摂津市）　

　店舗販促用の紙製什器を企画、設計、製造しており、10回以上この展示会に出展している。3年前までは化粧品業界がとてもよかった。中国国内で転売が禁じられるようになり、昨年は外国人が来日できず、化粧品の売り上げが減少し、おのずと什器も売れなくなった。また、実感できるほどではないが、1年前からは什器がアクリル製から紙製に替わってきているという話は聞くようになった。業態としてはドラッグストア、ホームセンター、スーパーなどで、百貨店はまだアクリル製が多い。

　ターゲットは各種メーカーだが、今回は来場していない。日々の営業活動ではなかなか出会えない、大手企業と名刺交換できるのが展示会のいいところだったが、例年と違い、大手企業の担当者の姿はほとんどない。

少ないながらもターゲット層が来場

谷口松雄堂（京都市）

　和紙メーカーで、この展示会には10回以上出展している。もともとは色紙を製造しており、小売店や広告代理店、また企業から直接依頼が来ることもある。和紙や和柄を得意としており、競合があまりいない。手作業で製造しているものもあり、低価格の要望に疑問を感じる部分はある。一昨年は年間50万冊を超える御朱印帳を作っていたが、新型コロナで一気に減った。今は掛け軸や屏風の問い合わせが増えている。

　ブースに訪れたのは販促関連や印刷会社などが中心で、ターゲット通りだ。数は少ないがそれも想定通りだ。新型コロナが収束しなければイベントなども積極的にできない。

出展せざるを得ない企業、来場せざるを得ない人も一定数いる

博士.com（東京都武蔵野市）

　動画などを制作しており、出展するのは10回以上になる。動画の活用を中心にアピールしているので、ターゲットは職種・業種は問わない。来場もさまざまな業界からまんべんなくある印象だ。新型コロナの影響が長引く中で営業や販促をどうすればいいのかという選択肢の1つとして、動画の需要は増えている。動画の内容は商品紹介が7割で多いが、社内向けの需要も増えている。例えば、営業や販促の手法を社内共有したい、採用もオンラインが多くなったためまず企業PR動画を見てもらいたいなどだ。

　今回は大手企業の自粛が顕著だと感じる。大きなスペースを確保していても出展キャンセルしたり、無人ブースになっているところが目立つ。そんな中でも、我が社のように集客のために出展せざるを得ない企業、新しい販促手法を求めて来場せざるを得ない人も一定数いるということだ。来場者は以前に比べると体感で30%ほど減っているが、手応えはそこまで悪くはない。