常滑 主催者集めに苦戦か

  • 2017/5/10

市と県の2つの建設計画に対して、展示会主催者からは賛否の声が上がっている。

「展示会場が不足している中で、大規模展示場が新設されるのはありがたい」と両者の計画を後押しする声もある一方、「常滑は遠すぎる。広い展示場があっても、人を集めるのは主催者だから。あんなところじゃ、やれないよ」と県の計画に否定的な意見を持つ者も少なくないようだ。両者の展示場整備計画について、立地面では市の計画に主催者の支持が集まっていると言えそうだ。

県が計画する常滑市展示場は、昨年9月に利用受け付けを開始したが、申し込みについては「ぼちぼち」だという。県の大村秀章知事は昨年6月に東京と名古屋で展示会関係者471名を集めてプロモーションを行ったが、成果に乏しい。

常滑市展示場は名古屋駅から特急電車で約30分かかる。東京・大阪からの参加者は新幹線を利用することがほとんどであるため、立地が弱点とみる主催者もいる。本紙が首都圏で展示会を開催する主催者数社に聞いたところ、立地を理由に展示会の開催に難色を示す者もいた。

一方、市は空見ふ頭展示場の好立地をアピールポイントとしている。河村市長は3月27日の記者会見の中で県と市の展示場整備計画について「名古屋市内の方が圧倒的に交通の便がいい。(展示会業界の人たちにとって)問題は会場に来てくれるか。アフターコンベンションも含め、都心に近いところのほうが選ばれる」と話した。

現状では空見ふ頭展示場の建設予定地には駅がないものの、河村市長は「つくりゃええですよ。道路をつくるのと同じ。これから考える」としており、立地面の強みを生かして主催者の支持を集める構えだ。

大村知事は4月5日の会見で、23日に実施される名古屋市長選挙について、「今回は河村たかし市長を応援しない。中京都構想を進めようと約束したのに、言うことが変わった」と対立姿勢をあらわにしており、空見ふ頭展示場の実現には大きな壁が残されている。


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国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平

2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。

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