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1000台売れた手動式印刷機
- 2017/3/9
▲丸山有子(44)は3年前から家業を手伝う
手動式印刷機 「なんでもくん」
何にでも印刷する。1個からでも印刷する。あらゆる印刷会社で断られた客が安心堂(東京都足立区)にやって来る。良いのか、悪いのか1個、5個といった注文が年々増えている。
あまりに増えるので、会長の丸山寛治は手動式印刷機「なんでもくん」を金属工場に頼んで作ってしまった。自分がほれた印刷技術を次の世代に残したかった。9万8000円で売り出すと、10年で1000台売れた。
町工場見本市(14、15日・東京国際フォーラム)の会場には、たくさんの石と一緒に「なんでもくん」を持ち込んだ。急な仕事で来られなかった丸山に代わり、3年前から家業を手伝う娘の有子がブースを仕切った。
丸い石の表面にレバーを当てると奇麗に印刷ができた。「とっても簡単な機械なんですけど」有子の穏やかな笑みの奥に、頑固親父への誇りを見た。
国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。