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避難生活で重宝する紙の枕
- 2017/3/9
▲坪川製作所(東京都葛飾区)の坪川恵子専務
折り曲げたダンボールと切り込みで作る枕
くしゃみのように前触れもなく、災害に生活を奪われた時、睡眠はささやかな救いの時間だろう。避難所で生活する人に欲しい物を聞いたところ、枕を挙げる人が多かったという。救援物資に枕は少ないのかもしれない。
段ボールを製造する坪川製作所(東京都葛飾区)が、避難生活用の枕を作ったのもその話を聞いたからだ。専務の坪川恵子は体育館に避難所を作るイベントを企画し、小学生に参加を呼びかけた。折り曲げた段ボールと切り込みで作った弾力は、参加した小学生の声を参考にした。
昨年末に商品は完成した一方で、まだ、どこにも納品できていない。売り先が分からないのだ。行政の防災窓口に持ち込んだら、「ここではない」と言われた。町工場見本市でも、これ、と思える人に会えなかった。「記事に書いてね」坪川の戦いは続いている。
国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。