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業界通が行く!第4回 「釣り具業界」
- 2017/2/10
- 日本釣用品工業会
▲日本釣用品工業会会長の島野容三会長
国内の釣具市場 反転攻勢
釣り具の国内市場が拡大している。(一社)日本釣用品工業会の統計によれば、2015年の国内出荷統計は1322億4000万円で、前年比103%。東日本大震災で2010年との比較でも10%伸びた。
女性に人気の船釣り体験
「女性、子供、シニア。長年ここに力を入れてきたことの結果」市場拡大の要因について日本釣用品工業会の島野容三会長は、釣り愛好家が集まる日本最大の釣りイベント「ジャパンフィッシングショー」の会場で話した。多くの産業と同じく釣り業界もこの3大マーケットの取り込みに力を注いできたが、その歴史は長い。
初心者向けの体験ツアーは、各社が旅行会社と提携し、10年程前から始まった。クラブツーリズム(東京都新宿区)では、年間30件程度の釣り体験ツアーのうち、10件を女性限定で募集する。郊外の港から乗り合い船で沖に出て、昼過ぎに帰ってくるコースが一般的だ。
1ツアー6人限定で、定員に達すると追加ツアーが組まれることもある。船釣りは道具から餌まで一式用意されており、船内にトイレもある。未経験者は二の足を踏むことが多いが、経験者からすると最も手軽な釣りの楽しみ方だという。
また、ルアー(魚の形をした仕掛け)釣りの拡大も女性客の獲得に一役買った。ミミズや小魚などを使うエサ釣りは手が汚れるため、女性に不人気だったからだ。
会員数1万5000人子供釣りクラブ
釣具メーカーのグローブライド(東京都東久留米市)は、40年前から子供向けの講習会「ダイワヤングフィッシングクラブ」を続ける。全国で年間30回以上開催し、小中学生が中心の会員は1万5000人に及ぶ。
初回に1000円を払うと、会員費はしばらく無料だ。子供たちは講習会が開かれる渓流や湖の釣り場まで行くと、そこから先は講師たちが一から指導してくれる。防寒具さえそろえていけば、釣り道具は全て無料で貸し出される。経験が無い子供でも気軽に参加できるように、2~5人に一人の講師がつく。「親に釣りの経験がない家の子供に、楽しさを伝えることを考えている」と広報担当者は話した。
国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。