- Home
- AIが届けた悲しい朝【365文字の編集長コラム】
AIが届けた悲しい朝【365文字の編集長コラム】
- 2019/11/4
6頭のゾウが滝に落ちて絶命した。最初に落ちたのは子供で、助けようとした親や仲間が相次いで転落した。タイの山奥で起きた事故だ。16歳の環境活動家がノーベル賞の候補に上がり、香港では当局の権限が一層強化され、大阪では金貨や小判を忍ばせた菓子折りのやりとりに関する弁明があり、そんな話題が並ぶGoogleニュースのヘッドラインに、ゾウの悲劇も表示された▲AIが趣向に合わせてそのニュースを選んだのか、あるいは、大勢の関心を集めたものとして推薦したのか、その辺りは分からないが、その朝いくつか開いたニュースのなかで、頭に残ったのはそれだけだった▲ゾウの世界の話だから、自己責任だ、管理責任だと、騒がれることもない。ニュースの出所について真偽や陰謀論を疑う必要もなく、お互いをいたわりながら逝ったゾウの家族の物語を、ただ悲しんだ朝だった。
国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
Follow @int_ev_news
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。