自治体の国際会議誘致 険しい道のり @ IME(国際MICEエキスポ)

 
  • 2019/3/25
展示会名:IME(国際MICEエキスポ)
会期:2019年2月28日(木)
会場:東京国際フォーラム ホールE2
主催:(一社)日本コングレス・コンベンション・ビューロー(JCCB)、日本政府観光局(JNTO)
出展者数:88団体(2018年)
来場者数:949人(2018年)

資金の補助を求められることも

 国際会議、学会、インセンティブ旅行、企業ミーティングの主催者が来場するMICE専門の商談会「IME(国際MICEエキスポ)」では、出展した自治体や観光協会担当者が成果を出せずに苦しむ姿が多数見られた。

▲ 徳島県は国際会議の誘致実績はないが、インセンティブ旅行では成果が表れ始めた

 出展した自治体の目的の多くは、海外からMICEを誘致することだ。海外でMICEを主催・運営する担当者は来場しているが、資金援助などの要求に対して条件が折り合わず、誘致に至らないケースが多いようだ。

 「会場や宿泊施設の問題をクリアしても、金銭的なバックアップを要求される」。そう話したのは、岐阜観光コンベンション協会(岐阜市)の佐野俊彦部長だ。海外MICE誘致を狙う出展者のための特別商談会「Meet Japan」にも参加したが、手応えはいまひとつだった。国際会議のキーパーソンと7、8組との商談にいたったが、資金援助を求められ、その場で応えることができなかった。設立されたばかりの組織に誘致を呼びかけると、ほとんどの場合、援助を求められ、ある組織からは3年間で3000万円と言われた。「我々だけでは賄えない。県庁に相談してみるが…」(佐野部長)

 10回以上出展している徳島観光協会(徳島市)も、国際会議を誘致できない。県内のMICE実行案件は年会200件あるが、学会がほとんどで、国際会議は2~3件にとどまる。国内案件は徳島大学と連携したPRや学会への営業活動で実績につなげた。海外向けには医学系セミナーに参加し、関係者とのネットワークをつくっている。インセンティブ旅行では成果が表れ、中華圏や韓国を中心に年間2~3件誘致できるようになった。だが、会議の誘致は難しい。

 大分市では3年前にMICE誘致に対する補助金制度が設けられた。2年前1件、1年前2件、今年が3件と徐々に増え、来年度は9件のMICEが実施される予定だ。大分県には参加者500人以上のMICEに対して100万円の補助金が出る制度がある。市の制度は県よりも小規模なMICE案件に適しており、IMEの会場でも2つの制度を使い分ける提案を行った。だが、ほぼ国内案件で、海外のMICEには手が回っていないという。 

▲ MICE誘致で県内の別府市や由布市との競合もあると話した
大分市の児玉誠吾主査

 福島市のブースには国内の学会関係者など、会議の主催者を中心に会場を探す人が訪れた。市内にある県立医大を中心に医学系の学会を誘致しており、年間20件ほどのMICEを開催している。東日本大震災の翌年から原発関連の学会が一気に増えたが、ここ数年、その数は減った。海外案件に関しては500人以下の国際会議が2件程度あり、毎年少しずつ増えている。観光客も増加しており、中華圏をはじめ、マレーシアやバングラデシュなど東南アジアの人も多い。

 大宮駅から近いソニックシティ(さいたま市)は9割以上の稼働率を維持しているが、MICE誘致を目的に出展した。年間90件弱のMICEを取り扱い、海外案件も5件程度ある。それでも獲得を目指すのは、やはり国際会議だ。今年開催した「世界盆栽大会」はイタリアに競り勝って誘致にこぎつけた。

▲ 年間稼働率が9割を超えるソニックシティ (さいたま市) も海外MICEの誘致に積極的だ

主催者との接点少なく

 MICE誘致の難しさは、案件を持っているキーマンと接点を持つことの難しさと言い換えて良さそうだ。「IME」に出展した自治体の多くは、日々の営業活動を地元の大学や関係者に依存していた。「車で地域の大学病院を回り、国内に200カ所の学会事務局を1年かけて回った。だが、9割が門前払い。すぐに誘致に成功することはなく、2~3年以内に決まればよい方」(ソニックシティ・大野順子さん)。同様の話は、どの自治体ブースでも耳にした。海外案件は、そのハードルがさらに高まる。

 UIA(国際団体連合)の統計によると、国際会議の開催件数のベストテン(2017年)は、韓国が1位で1297件、2位のシンガポールが877件、3位のベルギーが810件、4位のオーストリアが591件、5位のアメリカが575件で、日本は6位の523件だ。アジアではタイが312件で10位に付けており、総じて各国とも積極的だ。


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