暗中模索のビッグデータ活用 @ AI・業務自動化展(Japan IT Week 春 後期)

 
  • 2019/5/25
展示会名:AI・業務自動化展(Japan IT Week 春 後期)
会期:2019年5月8日(水)~10日(金)
会場:東京ビッグサイト 西1~4、青海展示棟
主催:リードエグジビションジャパン
出展者数:1180社
同時開催・西展示棟:データストレージEXPO、情報セキュリティEXPO、Web&デジタルマーケティングEXPO、データセンター展、モバイル活用展、通販ソリューション展、店舗ITソリューション展
青海展示棟:ソフトウェア&アプリ開発展、ビッグデータ活用展、クラウドコンピューティングEXPO

センサーは取り付けたが・・・

 AI(人工知能)を使ったITサービスを集めた展示会「AI・業務自動化展」には、データ活用を進めるも効率化に結びつかないストレスを抱える、幅広い業種のシステム担当者が来場した。データをクラウドで保存する企業が増加し、セキュリティ対策を求める人も多かった。

▲複数のデータベースにまたがる情報を統合する「名寄せ」をアピールした、日本ソフト販売(東京都中央区)

 AIを使った業務効率化サービスを展示したコムシス情報システム(東京都港区)に訪れたのは、製造業と建設業のシステム担当者だった。製造業では「業者に言われて機械にセンサーを取り付けたものの、抽出したデータを何に使えばいいのかわからない」という相談を、大手を中心に複数から受けた。中小企業からは職人の技術など、これまで数値化していなかったものを自動化したいという相談が多かった。

 建設業関係者は総じてAIに対する関心度が高いが、採用に至らないケースが多いという。求められるものにソリューションが追いついていないのが実態のようだ。「例えば、墜落防止器具を正しく装着できているのか確認するAIがあるが、人間による確認の方が信頼度が高く、普及に至らない」(上島顕さん)

 日本ソフト販売(東京都中央区)は、異なるデータベースに散らばった同じ人物や企業のデータを統合する「名寄せ」作業の支援をアピールした。3年ほど前から、システム担当者が、名寄せをキーワードにした展示に立ち止まるようになった。ウェブマーケティングを行うためのデータ分析で、名寄せされたデータが必要だからだ。だが、名寄せ作業の大半は大手企業においても、担当者が人力で行っていることが多い。AI、ビッグデータ活用の入り口で、立ち止まる企業が多いということだ。

 PCでの入力作業を自動化するロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)を昨年10月に発売した日本システム開発(名古屋市)は、これまで20社に商品を導入した。RPAはそれぞれの現場に合わせてプログラムを組む必要があるが、その専任者をおける企業が少ないため、現場でのプログラミングまでサポートする販売方法をとった。「製造業、小売業、商社などの来場が多かった」(八角心平さん)


クラウドの安全対策に関心

 パソコンに備えつけられたシステムを利用するのではなく、ウェブにログインしてサービスを利用するクラウドへの移行は、現在も多くの企業で行われている最中のようだ。システム開発のエヌアイデイ(東京都中央区)のブースでも、クラウド利用に関する相談が大半だった。大手企業やベンチャーだけでなく、中小企業まで、相談に来る人の裾野は広がったが、「全体で見れば、まだ社内システムを使っている企業の割合の方が多いだろう」と中田諭さんは話した。

 「データ保存におけるハードディスクとクラウドの使い分けが進みつつある」と話したのはパソコン周辺機器メーカーのバッファロー(名古屋市)の小林ルナさんだ。ブース来場者には目に見えるハードディスクでのデータ保存を重視する企業も多かった。

 クラウド利用の広がりに合わせ、セキュリティを懸念する人も増えた。ソフトウェアのテストや評価を行うベリサーブ(東京都新宿区)には、スマートフォンやカーナビに組み込まれるシステムの開発や検証部門の担当者が訪れた。工場の機械に通信機能を持たせるIoT技術を導入するのに合わせて、セキュリティに対する不安を解消したいという相談が多かった。

 これまでセキュリティ対策は外部からの攻撃を想定したものが中心だったが、内部不正を防ぐ相談も増えている。サイエンスパーク(神奈川県座間市)にも製造業から官公庁まで幅広い業種が相談に訪れた。「顧客データや自社の社員リストを抜き出して、第三者に販売するといった事件は増えている。外部に関しても、オリンピック開催国はサイバー攻撃を受けやすいので注意が必要」(小野亮太さん)


会場の分断 西館出展企業に不満

▲東京ビッグサイトの青海展示棟(左)と西展示棟(右)に別れた会場

 オリンピック開催に向けた改修工事で東京ビッグサイト東展示棟が閉鎖されたため、「Japan IT Week 春」はゴールデンウィークを挟んだ前後半に分けられた。後半は、青海展示棟と西館に会場が分かれたため、片方だけを見て帰る来場者が多かった。

 「AI・業務自動化展」が開催された青海展示棟には、多くの来場者が集まったが、西展示棟の出展企業からは来場者の減少を嘆く声が聞こえた。


おすすめの記事
予想以上の来場者集まる[口コミ] @Japan IT Week春 後期 青海展示棟 前編

関連記事

国内外の展示会を取材する
展示会専門紙
国際イベントニュースとは
私たちが展示会に注目する理由とは...。国際イベントニュースが取材する情報をご紹介します。

◀お知らせ▶
2020年2月から月1回発行
今回どうだった?
出展者に聞いた展示会の口コミ
人が集まるブース特集
記者の目にとまった人が集まるブースを紹介
自治体の出展戦略
自治体が出展!その目的は?
海外展示会挑戦記
海外展示会に挑戦する企業に聞いた
海外展示会レポ
現地記者が海外展示会を取材。海外トレンドをお届けします
イベント人物図鑑
展示会で出会える人を紹介します
国内展示場小間数ランキング

ブース・人材・運営・サポート企業

医療インバウンド
ページ上部へ戻る