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金属加工する3Dプリンターに注目 @日本ものづくりワールド
- 2019/2/25
会期:2019年2月6日(水)~8日(金)
会場:東京ビッグサイト 東4~8、西1・2、アトリウム
主催:リード エグジビション ジャパン
出展者数:1530社
来場者数:6万6049人
製造業向け総合展示会
あらゆる製造業者を対象にした展示会「日本ものづくりワールド」では、金属を加工する3Dプリンターに来場者の注目が集まった。

4回目の出展だった板金加工のタカノ(長野県松本市)は、ドイツ・トルンプ社製の3Dプリンターを出展した。これまでは樹脂素材の加工が主流だったが、2年前から金属を加工する商品が出るようになった。日本で金属を加工する3Dプリンターを見かけることはまれで、1日あたり300~400人の来場者が訪れた。
金型加工に関わる来場者からはプリンターで金型を作りたいという要望が集まった。数時間で作ることができるため納期の短縮につながるからだ。「一点物の試作品を作るのにも都合が良い」(藤尾宗太郎さん)。医療機器メーカーの来場者も多かった。
3Dプリンターの精度向上で仕事を減らした人もいる。研磨剤メーカーのイチグチ(京都府相楽郡)の高瀬裕介副所長は「2~3年前までなら3Dプリンターで作ったものには筋目が入るので、研磨の需要があった。最近は精度が上がり、そうしたニーズはない」と話した。
航空機用部品の受注を目指す企業の出展も多かったが、受注のハードルは高いようだ。ボーイングをはじめ複数の航空・宇宙産業の企業へとバネを納品する相互発條(川崎市)の相坂五月さんは「少量生産・多品種が鉄則で、小さな部品でもキズ一つ許されない。我が社では一本ずつ部品の傷を手作業で研磨している」と話した。
一方で、AI関連の需要は旺盛だ。AIシステム開発を展開するシステムズナカシマ(岡山市)では、紙の図面を読み込んで情報を整理する技術に注目が集まった。過去の図面をデータ化せずに抱え込む企業は多く、建設業ならば、建設時や改修時の図面をデータ化することで、次の改修に役立てることができる。過去の大量の図面を取り込んで整理する要望は、さまざまな製造現場で求められているようで、ブース内のアンケート回答数は1日あたり約150名に達した。自動車メーカーの開発担当者も注目していたという。
会場は五輪に向けた制約により会場スペースが縮小し、出展者が約1000社減少した。これにより来場者数も2万人減となった。
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2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

20代後半から出版社に勤務。中小企業向けの経営情報誌「COMPANYTANK」元編集長を経て、40歳でフリーに。2017年から国際イベントニュース編集部にも参加。趣味は麻雀と競馬。学生時代は雀荘で働き、腕を磨いた。