展示会主催会社のM&A 世界規模で進行中

 
  • 2018/9/20

 展示会主催業で世界2位のUBM(英)を、7月、4位のinforma(英)が買収したことにより、展示会主催業界はinformaとrelxグループ(英)が、主導する2強時代に入った。informaの目的は成長著しいアジア圏の展示会市場の獲得だ。UBMは美容業界の展示会「Cosmoprof Asia(コスモプロフアジア)」(香港)や、金属加工機の展示会「INTERMACH(インターマック)」(タイ)など、アジア地区の展示会に強い。アジアは展示会主催会社の主戦場になっている。

これまで首位はrelxグループの年商11億900万ポンド

 世界の展示会業界では、これまで首位のrelxグループが年商11億900万ポンド(1582億円・2017年度)で頭一つ抜けて、2位のUBMが8億6600万ポンド(1235億円・同)でそれを追いかけていた。informaは5億6000万ポンド(800億円・同)で後塵(こうじん)を拝してきたが、今回の買収でrelxグループを抜き業界のトップに立った(展示会主催事業に限った話で、企業規模はrelxグループの売り上げが73億5500万ポンド(1兆491億円)で、17億5700万ポンド(2506億円)のinformaを大きく上回る)。

 幕張メッセの元常務で、現在、日本イベントプロデュース協会の主席研究員を務める寺澤義親氏は、「経済規模の拡大に展示会の売り上げは比例する」と話す。GDP成長率が低い欧米や日本よりも、アジアの方が展示会を拡大させやすい。

 加えて、中国、台湾、インドネシアでは大規模展示場の新設が相次ぐ。これも売り上げを伸ばす要因だ。中国は、すでに販売展示面積が米国に次ぐ世界2位の展示会大国で、最大の民間主催会社がUBMだ。インド、マレーシア、米国でも最大の地位にあり、各地でrelxグループのReed Exhibitions(英)や、Tarusus(英)などと争いを続ける

一強リードに挑む新興系

 日本では、リード エグジビション ジャパン(東京都新宿区)の強さが近年際立つ。2017年の売り上げは243億4000万円で、5年でほぼ倍増した。追いかけるのは(一社)日本能率協会(東京都港区)やビジネスガイド社(東京都台東区)だが、その差は開きつつある(2社は売り上げを公表しておらず、展示会の規模から本紙が推察した)。周辺国で強いUBMも、日本ではリード社を脅かすほどの存在にはなっていない。

 勢いがあるのは、リード社で経験を積み独立した経営者たちの新興系だ。飲食業の展示会に強いイノベント(東京都渋谷区)は、統合型リゾート産業にいち早く着手し来年の展示会開催を準備する。介護に特化した展示会「ケアテックス」を拡大したブティックス(東京都品川区)は、4月に国内展示会主催会社として初めて上場を果たした。スポーツ産業の展示会「スポルテック」を主催するTSOインターナショナル(東京都新宿区)は、「エンディング産業展」など他社とは異なる切り口で毎年新しい展示会を立ち上げる。競合相手や出展企業が辟易(へきえき)するほどの営業力がリード社の特徴だが、新興系にも文化は引き継がれ、本家とつば迫り合いを続けている。


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国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎

2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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