地域店舗と提携する宿泊施設 大阪発 SEKAI HOTEL ②

 
  • 2018/9/3
▲朝食会場として提携している喫茶店の1軒、「ニューマコ」
住宅リノベーションを手掛けるクジラ(大阪市)は、地域の空き家、銭湯、飲食店を使って宿泊客を迎える「街ごとホテル」を実践する。目指すのは観光客が地元の日常を体験することだ。その第一弾として開業した「(セカイホテル)西九条」の取り組みと、経済効果を紹介する。

語り手
クジラ(大阪市) 矢野 浩一社長
1983年、九州生まれ。小学校~高校まで栃木県宇都宮市で過ごす。大阪の調理師学校に入学するものの、調理師をあきらめて不動産仲介業に従事。2007年にクジラを設立し、2014年に民泊、旅館業、簡易宿舎の運営を行うSEKAI HOTELを設立。


第2回 地域の店舗と提携しながら経済効果を生む

地元の「当たり前」を提供する

 SEKAI HOTELでは、観光客が非日常に暮らす体験を促す仕組みとして「SEKAI パス」を発行しています。現在、ホテルのフロントから徒歩3分圏内の5店舗と提携しており、宿泊客はたこ焼き店、モーニングが食べられる喫茶店2店舗、銭湯などが無料で利用できます。最近はバーとも提携をしたので、夜遊びでも使えます。現在は試験中なので無料で配布していますが、今後は提携店舗を増やし、有料に変更しようと思っています。

 こうした日常を新たな価値として売り出すことで、地域への経済効果として期待ができます。今年の5月までに月間平均240人がSEKAI パスを利用しました。ひと月の宿泊客が800人前後なので、宿泊客のおよそ3分の1がSEKAI パスを利用した計算になります。

 宿泊客がSEKAI パスを利用することで我々が提携店に支払う金額は、現状で月間14万8000円、年間で170万円超です。つまり、これがSEKAI パスをきっかけに生まれる地域への経済効果といえます。今後、客室が増えて宿泊人数が増えれば、SEKAI パスを利用する人が増えて、地域への経済効果ももっと増えていくと思います。

空き家再生の意義とは

 我々が西九条にホテルを開業し、日経新聞に掲載されて以降、近隣にホテル、ホステルの建設が進んでいます。飲食店も増えました。地域が活性化したことで、さらに経済効果があると思っています。

 既存の資産の活用という意味でも意義はあります。SEKAI HOTEL 西九条の客室にしたある長屋は、前の所有者が固定資産税を滞納していました。それを我々が市から購入してリノベーションし、客室として運用することで、不動産投資物件として成り立っています。

 最近は、大阪での長屋のリノベーション依頼を受けることが多くなりました。長屋は、工事が始まってみないと柱の状態やシロアリの被害、傾きの状態がわからず、リスクが大きいため、依頼はあっても受ける会社は少ないと思います。民泊や旅館業者からしても、調査しづらく、客室にするまでに時間と費用がかかります。その点、我々は自社ですべての過程をまかなえるため、こうした物件を再生することが可能なのです。

 現在のペースで進んでいけば、2022年までに、西九条地域で30軒の空き家を再生できるのではないかと見込んでいます。この夏は、東大阪の布施地域でSEKAI HOTELの第二弾が開業します。ここでは20軒の空き家の改築を予定しています。


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