▲JR御徒町駅前に広がる宝飾街。「ジュエリータウンおかちまち」には小売店、加工メーカー、部品販売店など100社程度が加盟する

東京・御徒町は、江戸時代から続く宝石産業の街だ。加工メーカーや卸問屋が並び、国内の小売流通関係者を集めてきたが、いつの頃からか中国人バイヤーが目立つようになった。展示会をきっかけに国内宝石産業と中国人バイヤーの取引が活発になり、問屋街にまであふれ出すようになった。

街を変えたのは展示会~宝石の街・御徒町~

JR御徒町駅から秋葉原駅に続く一帯には、100社近くの宝石関連業者が軒を連ねる。御徒町駅周辺には一般客を相手にした小売店が並び、駅から離れるに従って、加工、部品メーカー、卸問屋が増えていく。

中国人バイヤーが来るようになったのは7~8年前だ。リーマン・ショック後、国内市場の縮小が鮮明になり、地域の宝飾業者が香港の宝飾展に出展し始めたからだ。すぐに中国人バイヤーが日本の宝飾展に来場するようになり、会期の前後に御徒町にもやってくるようになった。

ジュエリータウンおかちまち
(東京都台東区)
田中勇会長

バイヤーの顔ぶれも変化し続けている。当初は中国の宝石店から来る人がほとんどだったが、最近はSNSで情報を発信し仲間内(フォロワー)から受注した商品を買う人が増えた。昨年からは、映像配信で生中継する人が主流だ。テレビ番組のレポーターのように、スマートフォンに向かってしゃべり、商品を撮影して説明を加えながら、本国にいるフォロワーからリアルタイムで注文を集めるのだ。個人もいれば、企業がやっている場合もあるという。

新たな顧客の流入は宝飾街で働く人の意識に変化をもたらしている。これまで、宝飾業界のプロだけを相手に商売をしてきたが、一般客を取り込もうと知名度をあげる機運が盛り上がり始めた。地域の宝飾関連業社が加盟する「ジュエリータウンおかちまち」(東京都台東区)の田中勇会長は、道具街の合羽橋商店街や、繊維問屋が集まる日暮里繊維街と連絡を取り合う。問屋街ながら一般客獲得に早くから取り組んできた2つの街に学びつつ、連携できる方法を模索しているのだ。

海外で宝石の街として認識が広まり、SNSで一般客と直接つながる新しいバイヤーが訪れる中で、田中会長は「御徒町」という街の名前がブランドになる可能性を感じている。「『素人お断り』と店頭に掲げているところもまだあり、取り組みはこれから」(田中会長)だが、「ボージョレ=ワイン」「カンヌ=映画」のように、「御徒町=宝石」と世界で認識される日が来るかもしれない。


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国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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