民泊事業に参入続々

  • 2016/11/30

民泊関連事業者向け情報サイト『TOMARUYO』を運営するトーキョーサンマルナナ(東京都世田谷区)が6月、東京都渋谷区で『民泊EXPOプレミアム2016』を開催した。イベント事業は初の試みだが、出展企業20社、来場者700名が集まる盛況ぶりとなった。

民泊ビジネスに感心が集まっている。民泊情報サイトを運営するトーキョーサンマルナナは、6月に開いた『民泊EXPOプレミアム2016』が好評だったことをうけ、9月に東京、11に大阪で追加イベントを開催した。

民泊とは、空き家や集合住宅の空き室といった居住場所を、外国人観光客に宿泊地として貸し出すビジネスだ。首都圏でのホテル不足を背景に、アパートやマンションの一室を活用して民泊を行う事業者が急増している。

関連する事業に名乗りを上げる企業も多い。部屋の貸し出しを行う個人に代わって部屋の清掃業者の手配や鍵の受け渡しなどの雑務を代行する「民泊代行サービス」や、住居をホテルとして貸し出すために設備の設置や室内のリフォームを行う「コンサルサービス」などが代表例だ。また、民泊物件を紹介する仲介サイトと提携する旅行代理店も増えており、民泊ブームは全国的に加速している。

民泊情報サイト『Airstair』を運営するリコレクター(東京都港区)の相馬翔CEOは「誰でも民泊を行えるという手軽さが、民泊事業者の増加を後押ししている。部屋の貸手が多いからこそ、参入する企業も多く、宿泊業や不動産業、旅行業など多くの業界を巻き込んだサービスになっている」と話す。

民泊仲介サイト大手『Airbnb(エアビーアンドビー)』の解析を行うSPIKEペイメントによると、昨年9月から1年間で仲介サイトに掲載する物件の数が急増している。東京都では掲載数が約2.5倍の1万3493件に増加し、大阪府では3倍強の1万559件となった。また、一室ごとの稼働率についても、東京都は55.38%から64.68%、大阪府は50.67%から61.74%へと上昇しており、市場は着実に成長を見せている。

「現在は一部の地域でしか民泊の運営が認められていないが、全面解禁も近く、しばらくは目が離せない」(相馬CEO)

違法事業者によるトラブルも

拡大する市場に沸く一方で、事業者からの不安も大きい。無許可で運営する事業者が増加するほか、民泊物件の近隣住民とのトラブルが多発している。

京都市の門川大作市長によると、京都市内で違法に民泊を運営している物件は2702件に上っており(2015年12月時点)、現在市が調査を進めている。違法が発覚した場合には事業者に営業停止を促すほか、今後京都市では集合住宅での民泊を全面的に禁止したい考えも示している。

相馬CEOは「民泊は生まれたばかりサービスなので、日本でどのように広がっていくのかは未知数だ。


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国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平

2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。

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