インフルエンサーと組む前に6

インフルエンサーと組む前に

第一回「私も彼らに憧れた一人です」
第二回ファンコミュニティのつくり方
第三回彼らのお金の稼ぎ方
第四回ヒカキン 視聴者目線で楽しむ天才
第五回福井に「聖地巡礼」起こしたYouTuber

第6回 事務所

個人事業主の「面倒くさい」を解決する存在

この連載でも何度か触れたUUUMのように、インフルエンサーの活動を支える事務所の存在は日に日に大きくなっています。その仕事は、インフルエンサーがやりたいことを最大限にサポートしながら、彼らの仕事の幅を広げることです。

広告出稿主の企業に対して品質の責任を負いながら、インフルエンサーごとに異なる特性やNG項目を伝えます。芸能事務所と違うのは、発掘と育成という先行投資が必要ないことです。インフルエンサーとテレビで活躍する芸能タレントがお金を稼ぐようになるまでの流れを比較すればその違いがわかります。芸能事務所に所属するモデルや俳優の卵たちがメディアに出るまでには、話し方、歩き方、身体づくり(顔づくり?)に始まり、歌唱力、演技力、話術などの芸を磨かなければなりません。

そのうち仕事がもらえるようになっても、しばらくの間報酬はわずかで、実績が積み上がり世の中に認知されるようになり、やっと収入が得られます。所属タレントと事務所のトラブルはいつの時代も定番ですが、芸能事務所側にしてみると、先行投資の回収が始まるのはタレントがお金を稼ぐようになってからです。なんのために育ててきたのか、というのが彼らの本音でしょう。

インフルエンサーの場合は、インフルエンサーになろうと思った日から、自分の作品を投稿し、SNSでファンをつくり、YouTubeなどから収入を得る道を個人の力で開くことができます。ある程度稼げるようになったころには、各プラットフォームの「急上昇ワード」や「おすすめのカテゴリ」に人気者・実力者として表示されます。そうなると、様々な企業から「ご相談…」という案件がやってきます。

その段階でインフルエンサーの側が、入りたい事務所を自分で選ぶのです。事務所に所属すると、イベントの開催、ファンクラブの創設や運営、グッズ製作と販売という業務を引き受けてもらえる上、動画に対する客観的なアドバイスや、投稿する動画の方向性・ブランディングなどの相談にも乗ってもらえます。つまり事務所の仕事は、すでに自力で稼ぎをあげている個人事業主がさらに仕事を拡大するためのサポートです。

実際は、インフルエンサーは、企業からどうやって仕事をもらえばいいのか分かりません。チャンネルの概要欄に連絡先のメールアドレスを貼ることはできますが、企業の担当者とどんなやりとりをすればいいのかが分かりません。インフルエンサーは毎日自分一人でコンテンツを作り投稿する作業を続けており、その作業や作品に制限をかける可能性があるものに対して警戒心が強いのです。今まで以上のお金を稼ぐチャンスがあるとわかっていても、です。

加えて、プロモーションを引き受ける場合の相場、成果の測り方、広告担当の人たちが当たり前のように使う業界用語がいちいち分かりません。その結果、自分のスタンスを崩す仕事は受けず、自分の売りどころを企業に伝え、ギャラ交渉までやってくれる、事務所の存在が重宝するというわけです。

最近は、インフルエンサーの事務所に、キャスティングの窓口が用意されていることも多くなりました。企業が世に広めたい商品やサービスの内容を伝えると、予算に応じてインフルエンサーを選び、プロモーションプランを作るのです。企業側は広告の目的に応じてインフルエンサーを見極める必要がありますが、それが一番難しいですね。

▲boost(東京都港区)辻幸範社長(28) バンタンデザイン研究所中退後、ブランドプロデューサーの加藤信之氏に師事しアパレル、WEBサービス、各社のブランド構築に関わる。 SNS投票によるコンテストイベント「モテワンコンテスト」の企画者

▲boost株式会社(東京都港区)辻幸範社長(28)
バンタンデザイン研究所中退後、ブランドプロデューサーの加藤信之氏に師事しアパレル、WEBサービス、各社のブランド構築に関わる。
株式会社テクサの企画担当。
テクサのネットプロモーションを加速するための、SNS投票によるコンテストイベント「モテワンコンテスト」の発案者。
株式会社テクサ
HP:http://tekusa.co.jp
twitter:https://twitter.com/tekusacojp

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