▲シンガポールのマリーナベイサンズのカジノ

政府は4月4日、安倍晋三首相を本部長とするIR推進本部を発足し、国会提出を12月に予定するIR実施法案の中身の検討に動き始めた。安倍首相はカジノIR施設に国際会議場や展示会場などの観光施設を併設することを義務化する方針を表明した。

府と市から集められた職員31人

IRの誘致に積極的な自治体の動きが活発だ。最も動きが早い大阪は、4月3日に、府と市から31人の職員を集めた一体組織「IR推進局」を発足し、内外に積極姿勢を打ち出した。世界各国のカジノ運営大手による大阪詣でも活発で、3月末には米国大手のウィンリゾーツのマット・マドックス社長が松井一郎知事と市長を訪問した。

今月20日には、韓国仁川空港からほど近い場所で、同国で初の総合IRリゾート施設「パラダイスシティー」がオープンした。日本のセガサミーHDが韓国カジノ運営大手パラダイスと共同出資し運営に当たる。セガサミーはかねてから国内でのカジノ運営に積極的な姿勢を打ち出しており、運営ノウハウの蓄積が目的のようだ。

これに先立って、昨年末に一部が開業したフィリピン・マニラの世界最大級の総合IR「オカダマニラ」が、3月末に正式にオープンした。こちらの運営もパチンコ機器大手のユニバーサル(東京都江東区)によるものだ。

依存症対策に向けては、自民・公明両党がワーキングチームを設立し18日に初会合が開かれた。与党内でもIRに対して慎重姿勢を鮮明にする議員は多く、今後はマネーロンダリング対策も争点になってきそうだ。年末に控えるIR実施法案の国会提出に向けて、関係者の動きは活発になっている。

日本は地方型IRにチャンス

ベトナム・ダナンでIR施設内のカジノを経営したカジノジャパン(京都市)の浅野哲代表は、「日本の場合、地方型カジノにチャンスがある」と話す。カジノスペースを新設する以外は、既存の観光施設との組み合わせで開設する方法があるからだ。

地方型IRが成功するには周辺環境が重要だ。外国人観光客の多くは、カジノで遊ぶために来日するのではなく、観光に来た日の夜をカジノで過ごすだけだからだ。そのため、歴史・文化的観光資産、ホテル、レストラン、飛行場、ゴルフ場、スキー場が近くにあることが望ましい。これらの施設があれば、周辺地域に経済効果をもたらすことができる。

顧客対象は一般的なインバウンド旅行者を想定する。一部で、1回の最低料金が300万円以上に設定されたゲームを好むようなVIPが集まらなければ収益が出ないという議論に対しては、「一般顧客だけで十分収益を確保する戦略の策定は可能だ」と話した。

海外のカジノ運営会社が日本進出を狙う中、浅野氏は日本人による経営で、地域経済の活性につなげることを主張した。


国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎

2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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