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販路拡大に向けてブランディング
- 2018/1/25
- VR(仮想現実), ジェトロ(日本貿易振興機構)
▲CeBIT2017でのKDDIブース。自社ロゴを大きく設置し、ブランディングを図った
販路拡大に向けてブランディング
海外の展示会で信頼できる取引先を獲得するには、何よりもまず「顔を売ること」が重要だ。国内では誰もが知る大手企業であっても例外ではない。KDDI(東京都千代田区)は昨年3月に世界最大級のIT展示会「CeBIT(セビット)」に、初めて出展した。同社が開発しているVRを活用した地震・津波などの災害対策ツールやスマートドローン、SIMを活用したIoTセキュリティ技術などを欧米に売り込むのが目的だ。
セビットはこれまでも日本からの出展者が多い展示会だったが、17年は同会のパートナーカントリーとして日本が選ばれたことから、特に日本企業の参加が多かった。ジェトロの濱野氏は「例年はジェトロの支援を通じて約30社が出展しているが、17年は117社が出展した」と語る。会場では大規模なジャパンブースが設けられ、日本の製品や技術に注目する来場者も多い。
こうした注目を追い風に自社のブランディングを図ろう、というのがKDDIの狙いだった。認知拡大とブランド力強化のため、ブースでは自社のロゴを大きく掲げ、来場者の足を止めるためにサービスを体験できるよう展示物を準備した。
中でも、家庭内で葉物野菜やハーブを栽培できるIoTキット「やさい物語」は多くの来場者から好評を博した。同社の広報を務める小谷元樹氏は会場での反応について「ドイツでは日照時間が短いため、家庭内でもしっかりと野菜を育てられる製品は重宝されるようだ。このような製品が欲しかったと話す人も多かった。また、VR関連の展示ブースでは、今後日本とドイツの双方での展開を視野にVRビジネスで連携したいという人もいた」と語る。セビットの来場者の多くは欧米人だ。開催国であるドイツをはじめ、フランス、イギリス、オーストリアなどが多く、インドや日本などIT産業の盛んなアジアからの来場者も目立つという。
来場者の職種は主に通信企業や機器メーカー、自動車メーカーの社員だが、一方で「大学の教授や学生の参加も多かったと感じた」と小谷氏は語る。商習慣や言語の違いなどはあるが、展示会での営業方法は日本と大きく変わらない。濱野氏いわく「セビットの来場者の場合、ほとんどが英語で通じる。ブースづくりなどは日本と大きな違いはないので、日本の展示会に参加する企業であれば、あとはアフターフォローの準備ができていれば十分参加できる」という。
国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平
2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。
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