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- MGMリゾーツ日本法人 CEOエド・バワーズCEO 「カジノの稼ぎがMICEへの投資支える」
▲▲ラスベガスに本社を置くMGMリゾーツの日本法人CEOのエド・バワーズ氏
カジノの稼ぎがMICEへの投資支える
日本のIR運営にも意欲を表し、3年前に日本法人を開設した。
日本法人代表のエド・バワーズCEOに話を聞いた。
―そもそも、IRとは、どういうものか。
カジノ、ホテル、MICE施設、エンタテイメント施設、場合によっては住宅、商業施設が一体となった施設だ。カジノばかりが注目されるが、我々が運営するような大規模IRは、施設全体におけるカジノ部分の面積が5%程度で、全体の95%はそれ以外のもので構成されている。
ただし、利益の中心はカジノだ。マカオでは収益の95%をカジノが生み出す。シンガポールは75%、ラスベガスは35%だ。
政府の管理下でIRが運営されるマカオとシンガポールは、それぞれ6施設と2施設に数が制限され、政府の管理下で運営されている。
そのためカジノの収益性も高い。
ラスベガスは自由競争なので、ストリップ地区だけで30の施設が並ぶ。そのためカジノ以外の部分における競争が激しい。
日本で議論されているIRの制度は政府管理型なので、シンガポールと同じような収益構造になるだろう。
―カジノとIRの決定的な違いは他の施設が隣接しているか、いないかということなのか。
カジノは投資に対して大きな利益を生み出す。カジノがあるからそれ以外の施設に対しても大規模な投資が可能になる。例えば、MICE施設は世界中にあるが、概ね公的な施設だ。投資リターンが低いため、民間で作るのが難しい。
だが、IR場合、カジノの存在がMICEをはじめとする他施設への大規模な投資を可能にする。そのため、IRでは民間らしいMICE施設をつくることができる。
日本で政府や地方自治体と話していても、MICEと、国内の他の地域の魅力を伝える観光コンテンツへの投資に力を注ぐことが求められていると理解している。
IRは公共政策として行われるものなので、民間事業者が作るのは、あくまで公共政策が求める成果を実現するものだ。
―日本ではどのようなIRを作ろうと考えているか。
繰り返すが、どのようなIRになるのかを決める中心にあるのは政府の公共政策だ。我々はそれを実現するプランを提案する。
政府の方針に沿わないものであれば、認可を得る事はないだろう。そのため、我々は3年前に日本に拠点を設置し、多くの政府や自治体、企業関係者と会ってきた。
どんなIRを作りたいのかを知るためだ。どこが運営するにしても、ライセンスを得る企業は日本ならではのIRを作ることになる。 また、政府は、国際的な競争力があるものを求めている。最大のライバルはシンガポールとなるだろう。
シンガポールでサンズ社が運営する「マリーナベイサンズ」は50億~60億ドルかかったと言われている。これと同じ規模のものを今の日本で作ろうとすると100億ドル程度かかると試算される。当社も含め、各社のトップが100億ドル規模の投資だと発言するのはそのような理由からだ。
リーマン・ショック後の低迷 地域住民集客できなかった
―リーマン・ショック以降、IR運営各社の経営は非常に厳しく、MGMも赤字決算が続いた。
―日本のIRでも日本人は重要な顧客対象として考えているか。
―日本のIRは世界的な競争力を持ち、競争に勝っていけるのか。