▲ブース内セミナーは1日7回開催した
yappli今年出展した展示会は10回以上
アプリ開発のヤプリ(東京都港区)は、今年だけで10回以上展示会に出展した。「JapanITWeek」(8~10日、幕張メッセ)は年間計画の中でも中核に位置付けた展示会で、8メートル四方のブースには数百万円を投じた。
この規模のブースを構えたのは、店舗向けの展示会「リテールテック」だけだ。3日間の集客人数は非公表だが、商談件数は平均よりも50%以上の成果が出た。ブースでは簡易なステージを用意し、スタッフによる立ち見の実例紹介セミナーを1日7回実施した。また、「ECサイト」「アパレル」など既存顧客が多い業種については、看板を掲げた展示台に同業者のアプリトップ画面を並べて展示した。当日の営業で注力したのは、自社専用アプリに関心があるものの、アプリで何ができるのかを明確に描けていない来場者に対するフォローだ。
「上司からアプリを使えと言われた」と言ってやってくる来場者が非常に多いからだ。
▲ヤプリ(東京都港区)石橋健輔ディレクター(39)
「既存の営業でどんな課題が出ているか」といった聞き込みから、同様の事例があれば紹介し、事例がない場合もyappliでの対策を提案した。
あらかじめ決められたフォーマットから作る同社のアプリは、初期投資をおさえ、月額10万円から利用できる。顧客はアパレル、小売流通、ECサイトなどが多いが、ダイワハウスなどの大手メーカーでも、コストダウンと消費者向けの囲い込みを目的に導入事例が増えているという。今年は市場調査を兼ねて出展した展示会もあり、中には成果が上がらなかったものもあった。「来年は今年の結果をもとに出展先の選定を進める」(石橋健輔ディレクター)ということだ。
国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。