愛知県・大村秀章知事に聞く 愛知国際会議展示場計画 「国際空港と展示会がアジアの急成長支えた」

  • 2017/12/10

▲愛知県碧南市生まれ。県内の西尾高校、東京大学法学部卒業後、農林水産省へ。1996年、衆議院総選挙初当選し5期年務める。2011年より現職。現在2期6年目。妻と1男3女の6人家族。

国際空港と展示会アジアの急成長支えた

展示場計画 大村秀章愛知県知事に聞く

愛知県は、中部国際空港(セントレア)がある常滑市の空港島で、展示面積6万㎡の大規模国際展示場の建設を決めた。2019年9月のオープンに向けて今年9月に始まった工事は、すでに急ピッチで進んでいる。大村秀章知事に展示場建設を推し進めた理由と、今後の計画について聞いた。

―そもそも愛知県に350億円を投じ6万㎡の展示会場が必要だと考えた理由は何か

日本の一人当たりGDPは2年前、世界2位だった。今ではOECD加盟国で20位、世界全体では26位まで後退した。ここまで稼げなくなってしまった理由は、グローバル化とデジタル化の立ち遅れだ。その間、世界では国際空港とITの整備により、会いたい相手には世界のどこにでも出かけて会いに行き、同時に離れていても仕事ができる環境を整えられた。国境や地域を超えた新しいビジネスマッチングがたくさんうまれた。特に、アジア各国は国際空港と展示場の整備に力を入れ、この流れを自国に引き込み、経済の成長につなげてきた。つまり、セントレアの拡充と国際展示場の建設は、遅ればせながらこの流れを愛知に引き込もうというものだ。

―6万㎡という大きい敷地を埋めるだけの展示会を呼び込んでいけるのか

愛知県、東海地区には日本一、世界一と言っても過言ではない製造業の集積がある。人口にしても1000万人を超える人が生活をしている。東京に比べれば少ないかもしれないが、十分に力のある経済圏だ。シンガポールの人口は500万人だが、運営は十分に成り立っている。展示会先進国のドイツでは展示場の運営会社が自ら主催者となって、自主企画であらたな展示会を立ち上げ世界から人を集めている。地域に合った新しい展示会を立ち上げることに我々もチャレンジしていきたい。会場運営を民間から募集しているコンセッションでは、意欲と能力のある事業者を選定する。

―集客のためには、セントレアの発着便増加、名古屋と空港をつなぐ鉄道の拡充が必要ではないか

アジア最大のLCCエアアジアグループが、10月、セントレアに日本本社を開設した。2019年上期にはLCCを中心とする新ターミナルの供用開始を予定している。展示場開業前に、セントレアの航空路線は拡充されると期待している。鉄道については名古屋鉄道と来場ピーク時の輸送力強化について検討を進めている。値下げについては、たとえば鉄道料金とイベント入場料をセットにした割引切符の販売のような工夫は可能だと思う。

 

―現段階で開催が決まった展示会はあるか

2020年に国が初めて開催するロボットの国際大会「ワールドロボットサミット」の開催が決まった。また、2019年の技能五輪全国大会、メイン会場としても活用していく予定だ。19年に国内で開催が予定されるG20サミット、関係閣僚会議の誘致も、6日に誘致を表明した。

―IRの研究会を設置したことも、集客力強化を目指したものか

MICEを核とした国際観光都市を目指すに当たり、IRの活用についても研究を始めた。空港島が各観光地への入り口「ゲートウェイ」の役割を果たしていく。海外の国際観光都市を見ると旅行客が夜遊びに行ける、ナイトツアー・ナイトライフの充実が重要だと思う。この地域にも繁華街、歓楽街はあるが、世界中の人が楽しめるショーのようなエンターテインメントとなると、日本では東京ぐらいだ。海外の観光客が夜でも安心して出かけられ、楽しんでいただける場所を作っていくことが重要だと考えており、IRはその柱となりうる。


国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎

2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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