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イベント取材日記(26)
- 2017/11/25
h1>悲哀に暮れる展示会業界
「半年経ったのに、まったく進展しなくって」。
苦笑いで話すのは幕張メッセ広報の鎗田さんだ。
今年4月に五輪の開催のための同施設の利用期間について組織委から6カ月間と提示されたが、短縮を求めた。が、半年以上経っても進展はない。
「大きなイベントはたくさんやっていますから、準備や撤去にかかる時間はだいたいわかります。いくらオリンピックと言っても長過ぎでしょ」
とぼやくさいたまスーパーアリーナを管轄する埼玉県も同じ。
「以前アリーナでバスケットボールの世界大会がありましたから。それに合わせれば想定できるんですけど、組織委さんも単独で決めるわけにはいかないようで…」。
組織委としても苦しいようだ。
関係者は「運営計画が決まらないので、これ以上の明確な回答はできないんです。皆さんの言い分はわかっているんですが、基本設計が整わないことには決めようがなくて…」とポツリ。
決定権を持たない組織委のせいか、決定までの意思決定が遅い五輪の運営体制そのもののせいか、それとも展示施設を会場に決めた東京都のせいなのか。いずれにしても、展示会業界の悲哀はしばらく続くことになりそうだ。
国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平
2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。